スポーツ観戦で「自分が見ると負け、見ないと勝つ」のはなぜ?―中国メディア

人民網日本語版    2021年8月15日(日) 18時10分

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東京五輪の観戦をする時、「自分が生中継を見ていると応援している選手が負け、見るのをやめるとその選手は最終的に勝つ」と感じた人もいるかもしれない。

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東京五輪の観戦をする時、「自分が生中継を見ていると応援している選手が負け、見るのをやめるとその選手は最終的に勝つ」と感じた人もいるかもしれない。新華網が伝えた。

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では、誰かが生中継を見ていたから選手がメダルを逃すということが本当にあるのだろうか?もちろん、そんなことはあるわけがない。では、「自分が見ると負ける」と感じる人には何が起きているのだろうか?

■「自分が見ると負ける」?

これは実のところ、生中継を見ている人の心理的な問題だ。ある互いに関係のない2つのことが発生した時、人というのはそれを関連付けたがるものだ。そして、1つを「原因」、もう1つを「結果」と見なす。これは、心理学的に「合理化」と呼ばれる現象だ。

一部の心理学者は、「これは人の『未知』に対する恐怖心によるもので、そのような時、人は自然と安心感を求める。特に、自分ではコントロールできない状況で、人は特別な『因果関係』を考えて、自分に安心感を与えようとする」と分析する。

人間だけでなく、動物にも同じような現象が見られる。心理学者バラス・スキナーは、ハトがキーをつつくと一定の確率でエサが落ちてくるスキナー箱を作った。実験では、ハトがキーをつつく前に羽をばたつかせ、その後にキーをつついてエサが落ちてくると、ハトは羽をばたつかせることがエサを出すために必要な動作だと思い込み、キーをつつく前に必ず羽をばたつかせるようになった。実際には、エサが落ちてくる確率は羽をばたつかせる動作と全く関係がないにもかかわらずだ。

それ以外にも、キーをつつく前に頭を下げたり、キーの周りを一周したりするハトもおり、何回か連続で何かの動作をした後にエサが落ちてくると、その後ハトはその動作の回数を増やした。さらに、その動作が役に立たなくなってもやめることはなかった。

そして明らかに、人間にも同じような傾向がある。

■ゲン担ぎをする人が多いワケは?

現実の生活においても、自分の受験番号の下2桁が「順調」という意味の中国語の発音と似ている「66」だと、試験はうまくいくと考えたり、何度か試験の前にフライドチキンを食べて結果が良いと、その後は試験前に毎回フライドチキンを食べたりなど、それほど役に立たないように見えるゲン担ぎをする人も多い。

バラス・スキナーは、「次に良い結果が得られるのがいつかは全く予想がつかないが、例えばフライドチキンを食べた後に試験結果が良かったというように、たまたま何かをして良い結果が得られるようなことがあると、動物や人間は次も良い結果を得ることを期待し、得られなければ次は大丈夫と思い、結果が良ければ次もまたそうなることを期待して、その前にしたことを繰り返すようになる」と考えた。

■このような心理を克服する方法は?

生中継でのスポーツ観戦の話に戻ると、自分が見ているかどうかは試合の結果に全く関係ない。しかし、ほとんどの人は自分が応援していた選手が試合に負けると強いショックを受けるため、強く印象に残る。そのような経験を繰り返すうちにますます印象も強くなっていき、最終的に「自分が見ると負ける」という結論を下す。

これは人間の自然な心理現象にすぎず、心理的問題を抱えているわけでも、運が悪いわけでもない。心理的負担があまりに大きいなら、テレビを消して試合の結果はニュースでチェックし、それから試合の再放送を見るかどうかを決めればいい。

■大事なことがある時はどう対処?

では、大事な試験など、重要なことがある時はどうすればいいのだろう?

実のところ、必要なのは平常心を保つということだ。人の想像力を高層ビルに例えるなら、人の感情というのは地盤であり、能力は各階にある各種施設と言える。感情をコントロールできなくなると地盤が崩れ、その上にある施設も自然と倒れてしまう。

自分の感情をある程度コントロールするためには、静かに座って深呼吸してみると良い。そして、イライラしたり、恐怖を感じたりすることばかりを考えないようにした方が良い。そのようにすることで、体を休めた状態にしてそこから調整し、頭の中を整理することもできる。

そのため、生中継でスポーツ観戦するにしても、大事な事に臨むにしても、平常心を保ち、心理的負担を感じないようにするのが一番だ。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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