食事にサプリ、トレーニング…若者がヘルスケアを重視するのはなぜ?―中国

人民網日本語版    2021年8月16日(月) 9時40分

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ヘルスケアに気を使う若者がますます増えている。そこに映し出されるのは若者が自分の健康に関心を払い、キャリアアップを追求すると同時に、健康的な生活で強い体になりたいと考えていることだ。

ヘルスケアに気を使う若者がますます増えている。そこに映し出されるのは若者が自分の健康に関心を払い、キャリアアップを追求すると同時に、健康的な生活で強い体になりたいと考えていることだ。なんといっても、健康こそ人生で最大の財産だからだ。人民日報海外版が伝えた。

■体と心の健康はどちらも同じように重要

朝7時に起床し、体脂肪率を測り、ビタミンのサプリメントを服用し、午前中のおやつはナッツの小袋で、昼食は辛いものやデザートを口にせず、雑穀、あっさりした野菜料理、赤身の肉が中心の食事をする。昼食後は1時間昼寝して、午後3時半から1時間運動し、夜は寝る前に足湯につかり、10時半には寝床に入ろうとする。

これは北京大学で歴史を研究する博士課程大学院生の張さんの生活時間・食事メニューだ。他人から見たら無味乾燥に見えるかもしれないが、張さんにとってはこれ以上の生活はなく、「これが健康を維持する秘訣」という。

張さんの例は珍しいケースではない。現在、ますます多くの若者がヘルスケアに気をつけるようになり、SNSで「ヘルスケア」と検索すると、関わる人の多さ、関心を寄せる問題の多さ、方法の幅広さがいずれもこれまでを上回ることがわかる。

関わる人の数を見ると、「ヘルスケア」が今の若者の間でキーワードになりつつあることがわかる。2020年末に発表された「若者のヘルスケア消費トレンド報告」では、若者の33%が「ヘルスケアが生活習慣になっている可能性がある」とし、90%以上が「ヘルスケアの意識がある」と答えたという。

関心を寄せる問題は多様化している。「『90後(1990年代生まれ)』のヘルスケアダイアリー」は調査研究の中で、回答者の健康ニーズを専門的に分析した。その結果、健康ニーズのリストでは体型管理と睡眠の改善が上位に並び、スキンケア、胃腸と消化、内分泌系なども並んだ。また、増加率の高い健康ニーズ上位3位には睡眠、脱毛、オーラルケアが入り、体の健康が非常に重視されると同時に、心の健康管理も重視された。20年初めにヘルスケアサービスプラットフォームの丁香医生が発表した「2020年国民健康インサイト報告」の分析では、若者は不安や抑うつなど心の問題への注目度が中高年を明らかに上回ったという。

食事に気を配る、サプリメントを服用する、中医薬に基づいた食事をする、トレーニングや運動をする、マッサージや鍼灸を取り入れる……ヘルケアの方法は実にさまざまで、何に関心があるかでヘルスケアの方法も変わってくる。別の調査では、健康機器を購入して自宅で健康状態をチェックする、定期的に健康診断を受けるのも若者が自分の健康状態を知る重要な方法になったことがわかった。

人によって生活習慣や体質が異なり、若者のヘルスケアには大きな個人差があるが、健康を追い求めているという点は一致する。よりよく生活、学習、仕事をし、心身の不調に足を引っ張られないようにするのが、すべての人のヘルスケアの根本的な目的であり、基本原則だ。

■若者はなぜヘルスケア重視?

年代別に比較すると、「60後(1960年代生まれ)」と「70後(1970年代生まれ)」、さらに「80後(1980年代生まれ)」は、若いときにヘルスケアを重視せず、ヘルスケアの意識に目覚めるのが相対的に遅かった。今は目覚める時期が早くなり、「90後」も「00後(2000年代生まれ)」さえもヘルスケアに注意を払うようになった。「90後」と「00後」のヘルスケア観はより深く内容も豊富で、「病気にならない」のが唯一の目標ではなくなり、質の高い生活を送ることこそ重要と考えている――心が安定し、おいしく食べられ、ぐっすり眠れ、肌がきれいで、体型がよく、ヘルスケアも行き届いているのが理想だ。こうした傾向について、「今の若者の生活は精緻すぎて、やり過ぎの感もある。しかしこうした世代間格差にはヘルスケアと健康に対する姿勢の変化がよく現れている」との見方を示するネットユーザーがいる。

北京栄養士協会の顧中一(グー・ジョンイー)理事はその原因について、「生活レベルの向上、物質的な条件が豊かになった社会的背景と関係がある。誰もがより高いレベルのニーズを思い、ヘルスケアとは以前は他人が病気や痛みで苦しむのを見たり自分のこととして経験したりしてから取り組むものだったのが、今は予防を中心とするものに変わり、ポイントが基礎的な健康ニーズから質の高い生活へと移り変わった」と指摘した。

北京大学医学人文学院の王岳(ワン・ユエ)副院長は、「同年代が社会化の過程で重要な役割を発揮しているが、若者のヘルスケア観の転換が一層促進されるだろう。ヘルスケアに注意を払う人が1人いれば、周りの人々も一緒に行動するようになる可能性が出てくる。新しい方法でヘルスケアを追求する人が1人いれば、周りの人々もその方法を試したり受け入れたりするようになる可能性がある」との見方を示した。

ヘルスケアに注意するだけでなく、若者はヘルスケアにお金を払いたいと考える傾向が強い。2020年版「若者総合健康消費報告」によると、若者の6割近くは健康をめぐる消費意欲が高く、飲食と運動が大きな部分を占める。31-35歳の若者から中年へ移ろうとする層は、健康消費の意欲度が80%に迫る。こうした傾向がヘルスケア消費市場を細分化し、若者のヘルスケア市場は徐々に拡大して、良好な消費のポテンシャルを示しているという。

王氏も1組のデータを挙げて、「昨年のあるECプラットフォームのネットショッピングイベント『618』の売り上げのうち、アイケア製品が前年同期比4126%増で、プロテインが同751%増、ビタミンが同387%増だった。このうち『95後(1995年から1999年生まれ)』と『00後』のアクティブユーザー数は同126%増だった」と説明した。

ヘルスケア消費に熱心な若者が市場の活力を非常に大きくかき立てる一方で、市場もこうした若者のためにより多様化した商品とサービスを打ち出す。痩せて体型をキープ、運動と栄養をサポート、目と脳によい、バイオプロティクスなどをうたうサプリメント、生薬の阿膠や黒ごま丸薬などの栄養補助食品、血圧計や血糖測定器などの家庭用医療機器、睡眠サポート、ジム、鍼灸、マッサージなどのヘルスケアサービス……細分化したヘルスケアニーズと日々ますます豊富になる市場サプライが相互に促進し合って、質の高い暮らしに対する若者の要求をさらに高く押し上げている。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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