職場のチームビルディングが不人気?若者が好きなものにするには?―中国

人民網日本語版    2021年7月19日(月) 17時10分

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Q&Aサイトの知乎に、「若い人はどうしてチームビルディング活動が嫌いなのか?」という質問が寄せられた。

Q&Aサイトの知乎に、「若い人はどうしてチームビルディング活動が嫌いなのか?」という質問が寄せられた。ここでは若者がチームビルディングに対して否定的な見方をしていることが分かる。チームビルディングと言えば、仕事以外の楽しみのように思えるのだが、なぜこんな状況になってしまったのだろうか。中国青年報が伝えた。

■経営者と社員それぞれの目に映るチームビルディング 理想と現実

来半分さんは浙江工商大学杭州商学院の人的資源管理を専門とする教員で、このほどチームビルディングを次のように分類した。大規模なチームビルディング活動は一般的に半年に一度行われる。主に仕事の総括、年度末の会議、全体でのレクリエーションなどがあり、都市周辺の景観エリア(ホテル)が会場に選ばれ、小旅行として行われ、同時に宴会やゲームも行うというパターンが多い。小規模なチームビルディング活動は頻度が高く、集まって食事、ホームパーティ、スケート、密室ゲームなど……主な目的は交流にあり、新入社員がやって来ると、みんなで交流してお互いをよく知るために活動が行われる。

しかしチームビルディングの理想と現実、経営者側と従業員側が考えることは必ずしも同じではない。

来さんは、「経営者側はチームビルディングの終了後、すべてのメンバーがやる気に満ちて、これまで以上に団結することを願い、従業員側はチームビルディングはなんと言っても福利厚生の一環であり、休む時間にしてほしい、経営者にはくれぐれも多くを望まないで欲しいと考えている」と述べた。

インターネット企業で働く葉雲起さんは、「経営者はチームビルディングが社内の大団結を促進し、生産力を高めると考えているが、実際には辞職を考える社員の行動を加速させ、一部の社員に辞職を決意させる可能性がある」と話した。

こうした矛盾に直面して、科学技術企業の人的資源担当の路寧副総裁は、「チームビルディングはまず何よりも従業員が好きなものでなければならない。従業員が反感を持ってしまったら、ポジティブな意味がなくなる。形としてはレクリエーションを中心にするとよく、本当の狙いがあからさまにならないようにする。最も基本的な狙いはチームが感情を通わせることにあるが、感情の『貯金』というものはコツコツ積み立てるしかなく、一気に増やす方法はない」と述べた。

■新人はよりチームビルディングが好きか?

新人はチームビルディングへの関心がより高いことが多いが、時間が経過し、興味やニーズが移り変わり、ベテランになると徐々に関心を失っていくということが取材で分かった。

前出の葉さんは「90後(1990年代生まれ)」で働いて6年になり、新人からベテランになった。「普段は仕事のプレッシャーが大きくて、休みの日にはとにかく家でのんびり休んでいたいと思う。強い日差しの中で山に登ったり、いろんなことを開拓したりするとかには、かつてほど強い興味を感じない」という。

知乎で職場の心理問題に答える夏熔熔さんは、「チームビルディングの本来の目的は従業員一人一人をチームビルディングに溶け込ませ、企業の文化を理解してもらうことにある。新人側は積極的な狙いがあり、新しい環境、新しいチームに溶け込みたいとしているが、この目的を達成すると、チームビルディングに参加する時の最大の原動力が失われる。チームビルディングのスタイルに目新しさがなければ、あまり意味がないと考えるようになるのは自然なことだ」と分析した。

路さんは、「職場の新人は仕事のプレッシャーが小さく、余暇時間が他の人よりもあるので、遊びに積極的な人が多い。しかしベテランにしてみれば、まず仕事上の責任がより重くなり、チームビルディングから戻ってきたら残業や急ぎのプロジェクトが待っているかもしれない。次に余暇時間へのニーズが仕事の報酬に対するニーズを上回る。さらに家庭、高齢者、子どものケアもあり、夜間や週末は時間が自由にならないため、チームビルディングを欠席する人が多い」との見方を示した。

■どんなチームビルディング活動が人気か?

それでもチームビルディング活動はしなければならない。ではどんな活動がよいチームビルディング活動になるのだろうか。

路さんは、「まず、従業員の休息時間を奪わないこと、従業員に費用を負担させないことが、最も基本的な原則だ。次に、目的をあまり強く打ち出さないことだ。一目でわかるようなトレーニング効果を狙ったゲーム、協力促進の意図があるゲームなどは、強制されているような感じがして反発されやすい。最後に、チームビルディングのスタイルに新鮮さがなければならない。これまでに体験したことがないコンテンツを体験してもらい、没入感と楽しさの中で何かを得るというのがいい」との見方を示した。

路さんの会社ではよく気軽な食事会を開き、会社が料理の大部分を手配し、社員からの持ち込みも歓迎している。「強制ではないが、気持ちが通い合えばいいなと思う。うちではチームビルディングでスローガンや理念を語らないようにしている。みんなにもっと和やかな雰囲気を楽しんでもらいたいからだ」という。

来さんは現代の若者の嗜好を踏まえて次のように提案する。

「チームビルディングで社員を最もちゅうちょさせるのは休日が奪われてしまうことなので、会社は業務に差し支えないのであれば、金曜日の午後を活動に充てて、従業員に『週休2.5日』と思わせるようにすれば、参加しようという意欲をある程度高めることができる。また、今はチームビルディングの多くが屋外での体力を使うゲームに偏りがちだが、これは実際の状況を踏まえて行うべきであり、仕事の圧力が高い会社では、従業員の意見をよく聞いて実行可能なプランを実施するようにするといい」。

ある心理学の専門家は、「実際、若い人がチームビルディングが好きかどうか、カギは自分の職場が好きかどうか、職場の人間関係が好きかどうかにある。この点がより重要だ」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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