中国の再生可能エネルギーモデル区はどんなもの?―中国メディア

人民網日本語版    2021年7月15日(木) 11時50分

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壩上地区では、太陽光パネルと風力発電の風車を至る所で目にすることができる。

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「張家口は冬の外気温がいつも氷点下20度あまりまで下がるが、この車は軽快に走り出す」。このように話す河北省張家口市の路線バス運転手の李宝生(リー・バオション)さんは運転歴30年以上のベテランで、これまでにディーゼル車、ガソリン車、電気自動車(EV)を運転し、今は燃料電池車の市内路線バスを運転している。水素エネルギーを電気エネルギーに転換して走る路線バスで、「加速が普通の乗用車より速いし、満員で動き出しても圧力を感じない」という。

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7月の張家口壩上地区は、青空に真っ白な雲が浮かぶ。李さんの運転する水素エネルギーの路線バスに乗ると、走行が安定していて、音の静かなドライブを楽しめる。「排気筒」から出てくるのは水の滴だけだ。

壩上地区では、太陽光パネルと風力発電の風車を至る所で目にすることができる。2015年7月、張家口市は国家級再生可能エネルギーモデル区の建設を認可された。昨年末までに、同市の再生可能エネルギーの設備容量は2003万キロワットに達し、規模はさらに拡大している。

2022年に北京市は張家口市と共同で冬季五輪・パラリンピックを開催し、「グリーン」が理念のトップに置かれる五輪・パラになる。「グリーン五輪・パラ開催」のため、張家口市は18年7月に第1弾となる燃料電池市内路線バス74台を購入し、公共交通の運営に投入した。現在は304台に増え、市内を走る路線バス全体の約40%を占める。

張家口市公共交通集団有限公司の霍俊青(フオ・ジュンチン)副社長は、「水素エネルギー路線バスは耐寒性能が高く、動力が十分にあり、航続距離が長く、最も重要な点は二酸化炭素(CO2)を排出しないことだ。2021年2月、『EXPERIENCE北京』を掲げたウィンタースポーツのシリーズテストイベント期間中、当社の水素燃料路線バス80台が張家口の競技エリアのサービス保障テストに参加した。フル充填すれば一台当たり水素約20キログラムが必要で、その航続距離は400キロメートルに達する」と説明した。

今年7月初旬、張家口市水素エネルギー路線バスの総走行距離は1500万キロメートルに達し、旅客輸送量は延べ4300万人余りに上った。今年10月になると、同市はさらに水素エネルギー路線バス140台を投入する計画だ。

張家口市緯三路の水素ステーションで、張家口市公共交通水素エネルギー新エネルギー科技有限公司の水素ステーション業務責任者の白岩(バイ・イエン)さんは、「ここでは4台同時に水素を充填でき、5~10分で自動車1台分のフル充填が終わり、電気自動車の充電より何倍も速い」と話した。同ステーションは昨年2月に完成し、正式に商業化運営が行われる固定の水素ステーションだ。冬季五輪にサービスを提供するため、張家口はこのほか水素ステーション7カ所を建設する計画で、すでに3カ所が完成している。

張家口海珀爾新エネルギー科技有限公司の技術責任者の趙輝(ジャオ・フイ)さんは、「水素を作るのに必要なのは主に水と電気で、張家口には豊富な風力発電と太陽光発電資源があり、『グリーン電力』を利用して『グリーン水素』を生産できる。水素エネルギーを消費すると排出されるのは水で、自然に戻せば再利用が可能なため、水素エネルギーの生産・使用の全プロセスはグリーンで汚染ゼロだ。市では水素エネルギー産業が支持され、企業に電力を特別価格で提供している。私たちは市場価格よりも安く水素を供給し、水素関連市場を育成している」と説明した。

中国はCO2排出量ピークアウト、カーボンニュートラルの目標をすでに設定し、張家口市は「グリーン電気」で「グリーン水素」を生産し、全プロセスでCO2排出量をゼロにした。また、同市は「壩上地区水素エネルギー建設第14次五カ年計画及び2035年までの長期目標(2021-2035年)」を制定し、計画、政策、産業、企業など多方面が協同する総合プランをほぼ構築した。海珀爾だけでなく、河北建設投資集団の新エネルギー有限公司が建設する沽源風電水素生産総合利用モデルプロジェクトがすでに完成して調整の段階に入り、日産能力は6トン近くに達する。河北交通投資集団のグリーン水素エネルギー一体化モデル拠点などのプロジェクトも秩序よく進められている。現在、張家口市の水素エネルギープロジェクトは7件が生産をスタートし、23件が建設中で、水素の生産、充填、貯蔵の設備製造、燃料電池の中核部品、水素エネルギー自動車の製造などによる総合的産業チェーンがほぼ形成されている。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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