人民銀行が預金準備率引き下げ、17兆円はどこへ?―中国

人民網日本語版    2021年7月14日(水) 6時50分

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中国人民銀行のサイトがこのほど発表した情報によると、人民銀行は2021年7月15日から金融機関が人民銀行に預けるお金の比率である預金準備率を0.5ポイント引き下げると決定した。写真は人民元。

中国人民銀行(中央銀行)のサイトがこのほど発表した情報によると、人民銀行は2021年7月15日から金融機関が人民銀行に預けるお金の比率である預金準備率を0.5ポイント引き下げると決定した(すでに5%の預金準備率が執行されている金融機関は含まない)。今回の引き下げ調整後、金融機関の加重平均準備率は8.9%となり、長期資金約1兆元(約17兆円)が供給されることになる。人民網が伝えた。

■人民銀行なぜ今、準備率を引き下げるか?

前回の預金準備率の全面的引き下げを振り返ると、2020年1月6日に0.5ポイント引き下げて(財務、金融リース、自動車金融に携わる企業は対象外)、長期資金約8000億元あまりを供給した。それから1年あまりを経て、人民銀行が突然引き下げを行うのはなぜか。

中央財経大学の賀強(ホー・チアン)教授は、「今回の預金準備率の引き下げの強度は正常なレベルで、これまでは引き上げも引き下げも、1回あたり0.5ポイントが一般的で、たまに1ポイントというのがあった。そのため、今回の引き下げはこれまでの慣例通りだといえる。今回の引き下げの目的は金融機関の資金構造を最適化し、金融サービス能力を向上させ、実体経済をよりよく支援することにある」と述べた。

国家統計局が9日に発表したデータによると、6月の全国消費者物価指数(CPI)は前年同期比1.1%上昇し、前月比0.4%低下し、生産者物価指数(PPI)は同8.8%上昇し、前月比0.3%低下した。

中央財経大学中国銀行業研究センターの郭田勇(グオ・ティエンヨン)センター長は、「ここ数年、CPIとPPIとの実質的な開きが目立つようになり、生産・製造プロセスの企業が受ける経済の圧力は大きかった。現在のマクロ経済は回復期にあり、アクティブな金融政策で調整をするのは適当ではない。人民銀行がこのたび小幅の準備率引き下げという方法を採用したのは時宜にかなっており、より多くの資金を供給でき、銀行が実体経済をよりよく支えること、産業チェーンの川下にあるコストを抑えなければならない中小・零細企業の発展をサポートすることを可能にする」との見方を示した。

郭氏は続けて、「金融政策が追求するのは『柔軟に必要な措置を取る』ことだ。調査研究を通じてわかったのは、一部の中小規模の銀行は今年は資金繰りが厳しく、特に預金が厳しい状態にある。人民銀行の今回の引き下げ調整により、商業銀行は預金を増やす機会を得られ、短期間で効果が現れると期待される」と述べた。

■引き下げによって放出された資金はどこに流れるべきか?

中国人民銀行関係当局の責任者は今回の引き下げについて記者からの質問に対し、「今回供給する資金の一部は、金融機関によって返済期限を迎えた中期貸出制度(MLF)の返済に充てられ、また一部の資金は、金融機関によって7月中・下旬に訪れる納税期限のピークがもたらす流動性不足を補うものとなり、金融機関の長期資金の割合を高め、銀行システムの流動性の総量が引き続き基本的な安定を維持することになる」と述べた。

賀氏は、「もしも資金が中小・零細企業に流れれば、原材料価格の上昇がもたらしたコスト圧力を緩和できる。しかし原材料市場に流れれば、原料価格をさらに上昇させる可能性がある。引き下げ後の資金の流入先に特に注意する必要がある。投機や物価を操るような行為を防止する」と注意を促した。

郭氏は、「資金の流入先の一部は市場が決定するので、100%予測通りになると保証することはできない。しかし監督管理機関はこれまでに銀行の貸し出しなどの金融サービスに対して規定と監督規制を明確にし、実体経済への資金の流入を最大限保証するとしている」と述べた。

■「インフレ」リスクをもたらすか?

このたびの預金準備率引き下げによって大量の資金が供給されると、インフレのリスクはないのだろうか。

郭氏は、「理論的に言えばインフレリスクはあるが、現実の中で全面的なインフレになることは難しいだろう。理論的には、さまざまな原因によって、最近の中国は通貨の増加ペースが速く、インフレを発生させる圧力が存在している。しかし中国の供給側は発達しており、ある程度の生産能力の過剰状態が生じやすく、供給が需要を上回ると、インフレ発生に対してある種の制約になっている。しかし需給のアンバランスはやはり改善しなければならず、市場の通貨量を増やすなどの方法をとって経営の困難な生産・製造企業にベイルアウト(金融財政支援)を行わなければならない。人民銀行の今回の準備率引き下げは、実体経済を支援するための『小手調べ』であり、インフレ問題は起こらないはずだ」との見方を示した。

賀氏は、「データを見ると、中国の物価水準は安定し、預金準備率を引き下げても潜在的なインフレリスクをもたらすことはないだろう。下半期の金融政策については、今年は金融マクロ調整政策が持続性、安定性を保ち、急カーブを切ることはなく、下半期も金融政策はそれほど大きく変化することはないだろう。『小麦粉が多ければ水を加え、水が多ければ小麦粉を加える』ような微調整が行われるだけだろう」と述べた。

人民銀行の関係当局責任者は、「金融政策の安定という方向性は変わっていない。現在、中国経済は安定さの中で好転し、人民銀行は金融政策の安定性と有効性を堅持し、正常な金融政策を堅持し、ばらまき政策は行わない」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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