中国人もビックリ、新発見の恐竜に「のび太」と命名―中国メディア「それでよいのだ」

Record China    2021年7月11日(日) 14時30分

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「恐竜教授」の異名を持つ中国の古生物学研究者(写真)が、自ら発見し新種と認められた恐竜に日本の漫画・アニメの「ドラえもん」の主人公の一人である「のび太」にちなむ命名をした。

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「恐竜教授」の異名を持つ古生物学研究者であるケイ立達氏(「ケイ」は「形」の「彡」をおおざとに代える)が、自ら発見し新種と認められた恐竜に日本の漫画アニメの「ドラえもん」の主人公の一人である「のび太」にちなむ命名をしたことが、中国で話題になった。批判の声が多く出たが、中国メディアの長江日報は9日付で、「研究者自身のロマンを反映させることに問題はない」と主張する論説を発表した。

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ケイ氏による新種恐竜の学名は「Eubrontes nobitai(エウブロンテス・ノビタイ)」で、「ノビタイ」の部分が「ドラえもん」の登場人物の「野比のび太」に由来する。中国語名は「野比氏実雷竜」だ。

ケイ氏は中国地質大学の准教授だ。同大学は5日付で、「四川省内で発見された白亜紀の新種の恐竜化石に、研究者が『大雄(ターシオン)』にちなんだ命名をした」などと発表したという。中国語版「ドラえもん」で、原作の「野比のび太」は「野比大雄」とされている。日本で「野比のび太」を単に「のび太」と呼ぶことが多いのと同様に、中国でも「大雄」だけでアニメの登場人物名であると広く認識されている。なお「白亜紀」とは今から1億4500万年前から6600万年前の地質時代を指す。

ケイ氏は取材に対して漫画本版の「ドラえもん のび太の新恐竜」を示して、自分は「ドラえもん」の熱烈ファンであり、「のび太の願いを叶えたいという気持ち」から、足跡化石として発見された新種の恐竜に「のび太」の名を用いたと説明した。

ケイ氏の命名について、中国では批判の声が出た。「中国のアニメや文芸作品の登場人物だっていっぱいあるのに。面子(メンツ)丸つぶれ」などだ。日本の作品にちなむ命名であることに不快感を示す人もいた。

一方で長江日報は9日付で、中国国内で起きた批判に反論する論説を掲載した。論説はまず、「科学の研究は全人類の優秀な文化から、インスピレーションや材料、エネルギーを得ねばならない。したがって科学研究の重要な原則の一つは、世界に目を向けて人類全体に思いを広げることだ」と主張した。

論説はさらに、恐竜の命名については早くから、発見者の考えと科学的分類を尊重する伝統が形成されてきたと指摘。さらに「発見者自身の文化的背景や国籍はさまざまだが、いずれも全世界の文化の中から命名のインスピレーションを得て、自らの願いを託してきた」「恐竜の命名は、種々雑多と言ってよい。地名や人名、神話、物語に基づくものがあり、事実に基づく場合や虚構による場合、厳粛なものもユーモラスなものもある」と紹介した。

記事はまた、「ゴジラサウルス」と命名された恐竜が存在することにも触れた。「ゴジラサウルス」の命名者は米国籍の研究者であるケネス・カーペンター博士で、幼少期に日本人の母親とゴジラの映画を見たことで怪獣マニアになり、さらには恐竜研究の道に進むことになったという。

論説は、さまざまな恐竜の命名には、幻想や幼少時の記憶や科学が広まっていった状況などが含まれており、科学の包容力とロマンを具現化したものと主張。「エウブロンテス・ノビタイ」についても「この種の包容力とロマンの延長線上にあるのではないか」と問いかけた。

ケイ立達氏は1982年生まれ。幼い時から恐竜が大好きで、高校生の時には中国初の恐竜情報サイトである「恐竜ネット」を立ち上げた。出身地である広東省内の大学に進学して金融を専攻したが、卒業後に改めて成都地質学院地層古生物学科の大学院生となり修士号を取得。米国でも古生物学の修士号を取得した。研究業績としては中国南西部の脊椎動物の古生態における体系の再整理などがある。また、琥珀(こはく)500万個を購入して、世界で唯一の「恐竜の体を含む琥珀」を発見したことでも知られる。(翻訳・編集/如月隼人

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