ソウル大学の清掃員が休憩室で死亡、その「原因」に韓国ネット民も同情

Record China    2021年7月10日(土) 9時20分

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ソウル大学で清掃員として働く50代の女性が、校内で突然死する事件が起きていた。写真はソウル大学の正門。

ソウル大学で清掃員として働く50代の女性が、校内で突然死する事件が起きていた。7日、韓国メディア・ニューシスが伝えた。

記事によると、女性は6月26日、ソウル大学学生寮の清掃員休憩室で死亡している状態で発見された。退勤時間になっても帰宅せず、連絡も取れないことを心配した家族が警察に届け出ていた。警察は「自殺や他殺が疑われる点はない」とし、「過労死の可能性を含め、死因については大学側も調査する必要がある」と述べている。

遺族と労働組合は、女性が過酷な労働と大学側によるパワハラに苦しみ、ストレスを訴えていたと主張。女性の夫は「子どもたちの教育費を心配しなくてよくなったと夫婦共に就職を喜んでいたが、新型コロナウイルスの流行により学生が食事にデリバリーを利用することが増え、ごみの量も急増した」「仕事が増えてから1年半ほど苦労していたが、大学側は何の措置も取らず、軍隊式に労働者を管理していた」と訴えた。

また、労働組合も「故人が勤務していた女子学生寮は建物が大きいため学生数も多く、女子学生寮の中では最も仕事量が多かった」と説明。「コロナ禍でごみの量が増加する中、故人はエレベーターのない建物で100リットルのごみ袋を毎日6~7個ずつ運ばねばならず、常に手がしびれるような過酷な環境にあった」とした。さらに「その上大学側は清掃員に対し、会議にペンやメモ帳を持ってこなければ減点すると脅迫したり、大学の施設名を漢字で書かせるなどの不必要なテストまで受けさせ、点数の低い人を侮辱したりもした」と主張した。

遺族と労働組合は7日、ソウル大学側に「真相究明のための労災共同調査団の設置」「高圧的な軍隊式人事管理方式の改善」「労働環境改善のための協議組織の設置」などを要求したが、ソウル大学側は公式なコメントを発表していないという。

韓国のネットユーザーからは、「20リットルでも腕がもげそうになるのに100リットルも?」「あの重い100リットルのごみ袋を50代女性に運ばせるとは…」「ごみは1階に学生たち自身が分別して置くようにすべき。エレベーターのない建物で空き瓶を運ぶのはものすごく大変だと思う」「掃除をする人たちにわざわざ漢字や英語のテストを受けさせる必要が?学生が頑張って勉強しているのに、大学側が学校の質を落とすようなことをしないでほしい」「一生懸命働いている人たちにもう少し優しい社会になってほしい。弱者をいたぶることほど邪悪な行為はない」など、大学側への批判的な意見が相次いでいる。

一方で、「ニュースを見るとただの清掃員に思えるけど、教職員と同様の扱いらしい。一般的な中堅企業より福利厚生もいいし、なかなか就けない職だよ」「パワハラは問題だけど、正直どんな仕事も大変なのは同じ」「今後は掃除は自分でして、職員を雇う場合はソウル大出身者に限定すればいい」などのコメントも見られた。(翻訳・編集/丸山

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