深センで起業したロゴデザイナーの林紫瑩さんは、「中国で働く香港出身の若者が集まる微信（WeChat）のグループがいくつかあり、そこに加わる人の数はどんどん増えている」と語る。新華社が伝えた。

5月に発表された第7回全国国勢調査の統計によると、中国各省で、調査に参加した香港出身の住民は37万人以上だった。「深センに来たら深セン人」から「みんな大湾区人」と言われるように変化していき、粤港澳大湾区（広州、仏山、肇慶、深セン、東莞、恵州、珠海、中山、江門の9市と香港、マカオ両特別行政区によって構成される都市クラスター）に来て起業、就職、居住、生活し、夢を追いかけて奮闘する香港出身の若者が増えている。

林さんは、生まれも育ちも香港で、25歳になるまで中国に来たことがなかったという。2012年、香港理工大学を卒業後、香港で有名な設計事務所に就職し、ロゴデザインの仕事を始めた。数年働き、昇級し給料も増えたものの、自分は「ネジ」の1本に過ぎないと強く感じるようになった。

そして、2016年に、林さんは上海に赴任し、1年働いたことで、中国の発展について理解を深めるようになった。特に、とても便利なモバイル決済などのテクノロジーの要素は印象深かったという。

その後、「いつまでも先に延ばしてはいけない。『コンフォートゾーン』を抜け出さなくては」と感じた林さんは、深センでロゴデザインの会社を立ち上げた。林さんは、中国では質の高いゆとりある生活に対するニーズが高まっており、商業センターやホテルなどのロゴに対するニーズも高まり続けていると感じている。林さんの会社は、高層ビルの外のブランドロゴから、駐車場やエレベーター、トイレなどの標識まで手掛ける。

専門的なスキルとサービスを武器に、林さんは仲間らと、新世界や華潤などの大企業との契約も取り付け、2020年の売上高は1000万元（約1億7000万円）を超えた。

「大湾区でしっかりと基盤を固めてから、いずれ他の第2、3線都市にも進出したい」と林さん。

林さんの周りには、中国で働く香港出身の友人が増えている。その理由について、林さんは「交通アクセスもどんどん便利になって、中国にやって来る人もますます増えている」とした。（提供/人民網日本語版・編集/KN）