監査機関2トップが政治参加に向かう未曽有の事態、「原因は文在寅政権に」と韓国紙

Record China    2021年7月2日(金) 13時20分

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韓国次期大統領選に出馬を明言した前検察総長に加え、監査院長も立候補が取り沙汰されている。韓国紙は「監査機関2トップが政治参加の未曽有の事態」と指摘。「原因は文在寅政権」と断じた。ソウル

韓国の崔在亨・監査院長が6月末、辞任した。翌日には尹錫悦・前検察総長が来年3月の次期大統領選への出馬を明言。崔氏も野党陣営からの立候補が取り沙汰されている。中央日報は「二つの監査機関の首長が政治参加に向かう未曽有の事態」と指摘。「第一次的な原因は文在寅政権にある」と断じた。

監査院は国家の歳入・歳出の決算を監査する機関。日本の会計検査院に近い役割がある。検察庁法で任期2年と定められた検察総長と違い、監査院長は憲法が任期(4年)を保障した憲法機関長でもある。憲法は三権分立のために国会議員と大統領・大法院長(最高裁長官)の任期を明示しているが、監査院長も同じだ。

文大統領は「監査院長の任期の保障は政治的な中立性を守るためであり、崔院長は望ましくない先例を作った」と遺憾の意を表明。崔氏は「私の去就に関して多くの論議がある状況で、監査院長職の実行が適切でない」と述べた。

中央日報は「検察総長・監査院長が政治を宣言する未曽有の事態」との社説を掲載。「2人の政治参加を非難ばかりするわけにはいかないのが昨今の状況だ。このような事態を自ら招いた一次的な原因が文政権にあるためだ。文政権はチョ・グク元法務部長官一家の不正捜査や月城原発の早期閉鎖事件に対する監査を執拗(しつよう)に妨害した。人事権を振り回して両機関の政治的中立性と職務上独立性を押し倒し窮地に追い込んだ」と批判した。

具体的には「約1年間、尹前総長を追い出すために行った秋美愛・前法務部長官の無理な方法や最近、朴範界長官の政権捜査を無力化するための検察中間幹部の人事などが代表的だ」と例示。監査院に関しても「月城原発を監査して(与党の)共に民主党議員から辞退の圧力を受け、市民団体の告発で捜査対象になる状況に追い込まれた。事実上、監査院・検察の制度的根幹を揺るがす、とうていあり得ない異常な状況を招いた」と論難した。

さらに「現代民主主義で唯一法治が強調される理由は、選出権力が多数の暴政に達する危険性のためだ。監査院と検察は権力の独走をけん制する重要な制度的装置だ」と強調。「こうした厳重な使命を持つ監査機関の首長が任期の途中に政治参加を宣言する未曽有の事態は、わが民主主義の歴史でとても異例な事件として記録されるだろう」とした。

その上で社説は「彼らが今後どのような政治的選択と決断をするかは分からない。政治的中立性の毀損(きそん)をめぐる論争が起きれば、それを甘受するのは彼らの責務だ」と言及。「しかし、文政権の専横や暴走、法治の毀損が彼らを政治の道に導いたという事実は否めないだろう」と主張した。(編集/日向)

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