リンゴ日報廃刊、「香港の焚書坑儒」と韓国紙、「批判抑えつけても人心つかめない」とも

Record China    2021年7月3日(土) 6時20分

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香港の日刊紙「リンゴ日報」の廃刊をめぐり、韓国紙は「香港の焚書坑儒」とのコラムを掲載。「秦の始皇帝は批判を抑えつけることはできたが、人々の心はつかめなかった」と評した。写真は香港。

中国当局に批判的だった香港の日刊紙「リンゴ日報」(アップル・デイリー)の廃刊をめぐり、韓国・ハンギョレ新聞は「香港の焚書坑儒」と題する論説委員名のコラムを掲載した。コラムは「秦の始皇帝は批判的な学者を殺し、本を燃やして批判を抑えつけることはできたが、人々の心はつかめなかった」と評した。

コラムは「権力を批判してきた新聞社の編集局に警察数百人が押しかけた。編集局長や論説委員、記者らが続々と捕らえられ、監獄に閉じ込められ資金が抑留され、読者の声援にもかかわらず結局、新聞は廃刊される」と前置き。「独裁時代を経験した韓国人には聞き慣れなれたことが、2021年6月24日に香港で起きた」と振り返った。香港で国家安全法が発効した翌日の20年7月1日朝、香港の主要紙1面にはこれを祝う政府広告が掲載されたが、リンゴ日報だけは国家安全法に対する批判記事を載せていた。

翌月、香港警察はリンゴ日報を家宅捜索。(創業者の)黎智英氏を逮捕して国家安全法違反で起訴し、財産を差し押さえた。そして今年6月17日、再び編集局が捜索され、新聞社の財産が差し押さえられ、編集局長や主筆らが逮捕された。同紙は結局、廃刊を選択。コラムは「ウェブサイトとフェイスブックのページも消え、26年間築いてきたメディアの跡は完全に消された」と続けた。

さらに「リンゴ日報の死はメディアの多様性と自由路線で有名だった私たちの知っている香港が消えてしまったことを示している」と言及。「香港の国家安全法は国家分裂、国家政権転覆、テロ、外国勢力との結託の四つの犯罪に対し、最高で無期懲役で処罰するが、どのような記事がこの容疑に該当するのかは当局が決める。記者らは自己検閲を続けたり、批判的な記事を書いたりすることをためらうのは避けられない」と憂色を深めた。

「焚書坑儒」を断行した背景については「香港メディアと香港人、さらに中国大陸の人々に『共産党に対する挑戦や批判的な声を絶対に許さない』として、絶対忠誠を要求する警告だ」と指摘。「国家安全法を通じて香港を完全に掌握し、大陸と異なる一国二制度の空間だった香港はもはや存在しないということを『中華民族復興』の成果として掲げている側面もある」と述べた。

最後にコラムは「リンゴ日報が廃刊した日、香港のインターネットで広まった文章は次の通りだ」と紹介。「彼らはリンゴを消し去ったと考えているだろうが、彼らはその種が私たちの心にすでに根付き、私たちがリンゴの木を育てているということは知らずにいる」と結んだ。(編集/日向)

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