「商売道具」はリモコン!コンバインハーベスターで収穫作業を請け負う若者―中国

人民網日本語版    2021年7月5日(月) 8時10分

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中国で小麦の収穫を手伝う出稼ぎ労働者は「麦客」と呼ばれている。毎年、小麦の収穫時期になると、陝西省や甘粛省、寧夏回族自治区などの農民たちはわざわざ地元を離れて収穫場所へと赴く。

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中国で小麦の収穫を手伝う出稼ぎ労働者は「麦客」と呼ばれている。毎年、小麦の収穫時期になると、陝西省や甘粛省、寧夏回族自治区などの農民たちはわざわざ地元を離れて収穫場所へと赴き、小麦の収穫作業を手伝う。プロの「麦客」である阿地力・沙拉木さん(28)にとって、「麦客」は「もうかる」仕事だ。

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焼けつくような日差しとなる夏半ばに、天山山脈の南に位置する新疆ウイグル自治区クチャ市斉満鎮の麦畑では、阿地力・沙拉木さんがスマホほどの大きさのリモコンを操作して、北斗衛星測位システム搭載のコンバインハーベスターの作業コースを設定していた。設定さえすれば、その後は刈り取りの様子を見守るだけでいいという。

阿地力・沙拉木さんは、子供の頃は、小麦の収穫期になると、一家総出で刈り取っても、1日当たり1ムー(6.667アール)ほどしか刈り取れず、1カ月以上かけて作業をしていたという。

「子供の頃、鎌で小麦を刈り取っている時、神話の世界のように、人の手を使わずに刈り取れるようになったらいいのにと思っていた。僕の父親は鎌を使う『麦客』で、夏はずっと家にいなかったから」と話す。

そして今、小麦の収穫は簡単なことになり、「麦客」は過去のものになりつつある。そして、ハイテクを駆使する「新麦客」が雨後のタケノコのように次々登場している。

「新麦客」の阿地力·沙拉木さんは、バザールでかつての「商売道具」だった「鎌」を買うのではなく、麦畑で「スマホ」を操作しており、「北斗衛星測位システムを通じて、収穫コースを正確に設定することができ、手間も時間も省ける」と話す。

麦畑では、北斗衛星測位システム搭載のコンバインハーベスターが忙しそうに動き回り、10分ほどで、1ムーの刈り取り、脱穀、選別などの作業を終わらせていた。

阿地力・沙拉木さんによると、ざっと見積もって、1ムー当たりの作業料金は60元(約1020円)で、日給は2000元(約3万4000円)以上。年収は7万元(約119万円)以上に達するという。コンバインハーベスター半台分に当たる金額で、「麦客というのはとてももうかる仕事」と話す。

新疆ウイグル自治区では現在、北斗衛星測位システムが小麦の収穫や収穫後に残っている切り株除去、鋤き返し、ドローンによる植物保護など多くの分野で幅広く応用されている。そして、農業の生産の質や効率は大幅に向上し、昨年、同自治区の小麦の収穫の機械化率は97.48%に達した。

機械を採用したため収穫がスピードアップしており、地域をまたいで作業をする阿地力・沙拉木さんが作業をしに出向いた地域の広さはすでに彼の父親を超えたという。阿地力・沙拉木さんは来年、天山山脈を超えて、さらに遠くの、さらに大きな小麦畑へ出向く計画という。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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