中国がレアアース供給をストップしたら西側はどうする?―仏メディア

Record China    2021年6月28日(月) 6時20分

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22日、仏国際放送局RFIの中国語版サイトは「中国からレアアースの供給が途絶えたら、西側はどうするのか」とする記事を掲載した。

2021年6月22日、仏国際放送局RFIの中国語版サイトは「中国からレアアースの供給が途絶えたら、西側はどうするのか」とする記事を掲載した。

記事は、中国と欧米との間で経済や地政学上の摩擦が起きている中、米国と欧州連合(EU)がそれぞれレアアース市場への投資を再強化して中国からの供給寸断により生じうるレアアース不足を回避することを目指していると紹介。米地質調査所による2019年の調査では米国で利用されるレアアースの80%が中国から供給されていることが分かり、20年9月に出された欧州委員会の報告でも、EUが輸入するレアアースの98%が中国産であることが明らかになっており、中国産レアアースに対する高度の依存が、エネルギー転換を進める欧米にとっては警鐘を鳴らすべき状況になっていると伝えた。

その上で、米バイデン大統領が今年2月に必需品のサプライチェーン見直しを求める政令を出し、米上院で今月8日にレアアースを含む重要な鉱物の採掘を最優先事項とする「米技術革新・競争法案」が可決されたことを紹介している。

そして、米国では現在カリフォルニア州のマウンテンパス鉱山に大きな期待が寄せられているとし、かつて大量の政府補助や緩い環境保護規定によって急速に発展した中国のレアアース採掘業により操業停止に追いやられた同鉱山が、中国によるレアアース供給独占状態を受けて17年より採掘が再開されたと伝えた。

また、精錬においても同鉱山を持つMPマテリアルズが、現在中国で行われている化学的プロセスによる岩石からのレアアース元素分離、レアアース磁石製造という二つの工程を自ら行う計画を進めていると紹介。さらに、米国防総省などと提携を結んでいるオーストラリアのライナスによるレアアース採掘プロジェクトも立ち上がっているとした。

記事はこのほか、欧州ではレアアースのリサイクル利用に力を注ぐ動きも出ており、英ロンドンに本社を置く市場調査会社ロスキルの電池、電気自動車専門家であるデビッド・メリマン氏が「鉱物資源の埋蔵という点において、欧州には天賦の優位性がなく、原料や半加工材料は輸入に頼らざるを得ない。将来、欧州は精錬や回収の拠点となるだろう」との見方を示したことを伝えている。(翻訳・編集/川尻

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