中国・揚子江流域が例年よりも早く洪水期に、「最悪の被害出るのでは」と韓国紙

Record China    2021年6月6日(日) 5時30分

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中国・揚子江流域が例年よりも早く洪水期に入った。河川などの水位が急上昇している中、韓国紙は「今年、最悪の洪水被害が出るのではないかという懸念がある」と伝えた。長沙市

中国・揚子江(長江)流域が例年よりも早く洪水期に入った。南部の一部地域には20日間雨が降り続け、中国9省79カ所の河川地域に洪水警報が発令された。河川などの水位が急上昇している中、韓国紙は「今年、最悪の洪水被害が出るのではないかという懸念がある」と伝えた。

昨年の初夏、中国南部では大洪水が発生した。2009年に完成した三峡ダムは揚子江の洪水によって建設以来の最高水位となり、連日国内外のメディアで危険水域に達していると報じられた。

韓国・中央日報によると、中国気象局の観測で5月に入り、中国中南部地域は5回の豪雨に見舞われた。雨が降った日は15~20日で、平年に比べて2倍以上だった。26~27日、浙江省や江西省、福建省、湖北省、四川省、貴州省、広西省、雲南省、チベットの一部地域などに100ミリ以上の大雨が降った。

揚子江が貫く湖北省武漢市の漢口測量所は5月26日、156年ぶりに最高水位を記録した。揚子江水資源管理委員会によると、この日午前10時、川の水位は25.05メートルに達した。これは1865年の水位観測開始以来、5月に記録されたものの中で最高値となる。

現在、揚子江中下流の水位は平年比2.3~4.1メートル高く、昨年同期比では4.6~7メートル高い状態。これに伴い、揚子江流域気象センターは警報水準である非常レベル4段階対応を発令した。

江西省ではすでに洪水被害が発生。19日から始まった大雨でハ陽湖の水位が急激に上昇して56万人が水害を受け、40万ヘクタールの農地が水に浸った。各地の道路や村で浸水被害があり、ほとんどの学校も休校になった。

経済的損失は推定3億8000万人民元(約66億円)。江西省修河やハ陽湖一帯は、毎年洪水被害が発生する地域だが、現地メディアによると、今年は例年より20日ほど早いという。

国営新華社通信は「すでに71の河川で警告レベルを超えている」と報道。中国の英字紙「チャイナ・デイリー」は「一部では例年の3倍もの降水量を記録している」とも報じた。香港紙「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト」が公開した洪水の様子を報じる動画には「昨年の動画を流しても誰も気づかない」など、昨年に続いて被害の大きさを嘆く声が投稿された。

水資源部洪水予防部課長の王偉躍氏は「普通、北緯20度程度の亜熱帯高気圧帯の位置が著しく北上した上、勢力が強い状態で北側の冷たい空気が繰り返し南下し、揚子江以南地域に多くの雨を降らせている」と指摘。中国気象庁は「警報信号発令時には外出を控えて浸水被害の防止に備えてほしい」と呼び掛けた。(編集/日向)

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