中国の工場、コスト上昇で新規受注遅らせる、世界的な供給不足のリスクも―米メディア

Record China    2021年6月7日(月) 6時40分

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環球時報によると、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルはこのほど、「中国の工場はコストが上昇するにつれて新規受注を遅らせており、世界的な供給不足のリスクを招いている」とする記事を掲載した。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)はこのほど、「中国の工場はコストが上昇するにつれて新規受注を遅らせており、世界的な供給不足のリスクを招いている」とする記事を掲載した。中国紙・環球時報(電子版)が3日、その内容を要約して次のように伝えている。

中国の一部の製造業者は、コスト上昇の影響を受けて、新規受注を拒否したり、操業を一時的に停止したりすることさえ検討している。国際的なサプライチェーンに余分な圧力がかかり、一層のインフレを引き起こしかねない。

米国や他の西側の市場に製品を販売する多くの中国の小規模メーカーが、原材料価格の高騰と労働者不足により窮地に追い込まれている。高いコストを海外のバイヤーに転嫁している企業も少なくないが、一部のメーカーでは痛みが非常に深刻で、その差額を埋め合わせるのに十分な価格を上げることが難しいと感じており、多くのメーカーが欠損を出すのを避けるために他の解決策を探している。

中山市に拠点を置く台所用換気扇メーカーは、金属、ガラス、スイッチの価格が大幅に上昇したことを受け、4月から赤字経営を続けている。5月中旬には、顧客に対し、新規受注を一時的に停止すると伝え、2週間待ってから価格交渉を行うよう求めた。同市のガラス工場のオーナーも、なすすべがないと話している。同社は今年、約5%値上げしたが、10%のコスト上昇に追いつくには不十分だ。価格が押し上げられた背景には、中国当局が一部の高汚染工場の生産を停止または制限したことがあるとみている。

多くの生産者が望んでいるのは、大口商品の価格が正常化するか消費財の国際的な需要が落ち着くまで、受注を遅らせたり生産のスピードを落とすことだ。西側の消費者は、パンデミックを通じて積み立てられた景気刺激策や経済的貯蓄を費やし、自転車からノートPCまであらゆるものの注文が急増している。だが原材料価格が上昇し続ける場合、または西側の需要が冷めない場合、工場の生産抑制は商品不足を引き起こす可能性がある。スタンダード・チャータードのエコノミスト、シュアン・ディン氏は、「中国の多くの生産者が、生産を停止するか圧力を消費者に転嫁することを迫られることになる」とし、「アジアの他の国や地域での新型コロナの感染再燃は、中国の生産者に価格交渉の力を与え、最終的に米国などの中国の重要な輸出市場はより大きなインフレ圧力を受けることになる」との見方を示している。

中国政府もこうした状況に懸念を示している。新型コロナのパンデミックからの中国経済の堅調な回復は、国内の多忙な製造業に密接に依存している。製造業者が収益を上げるのに苦労し続ければ、回復のペースは遅くなり、国内のインフレを引き起こす可能性がある。中国当局は最近、大口商品業界の大手企業に市場の操作や買いだめをしないよう求めるなど、繰り返し警告を発している。

中国の多くの工場が直面しているもう一つの問題は、商品に対する国際的な需要の急増に対応できるだけの十分な労働者を雇用できないことだ。東莞市のアジア靴業協会の関係者は、地域内の多くの靴工場が今年、注文の急増を目にしながら十分な数の若年労働者を雇用するのに苦労しているとし、「最近の若者は、工場で働くよりも配達員になることを選ぶ」と述べている。(翻訳・編集/柳川)

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