広島県知事「伝統の保護と革新的な発展を重視し、地方企業の中国開拓を積極的に後押し」―中国メディア

人民網日本語版    2021年5月31日(月) 18時40分

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人民網日本株式会社では「ポストコロナ時代の中日協力の新たなチャンス——日本都道府県知事シリーズインタビュー」を企画。47都道府県の知事を訪ね、独占インタビューを展開していく。

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日中両国は一衣帯水の関係にあり、さまざまな分野やレベルで友好協力関係が全面的に深く発展している。新型コロナウイルス感染症が猛威を振るった際、日中両国は相互に援助の手を差し伸べ、共に感染症と闘い、多くの感動的なシーンが生まれた。ポストコロナ時代を展望し、いかにしてコロナが日中の各分野での交流にもたらした一時的な影響を克服するのか?いかにして日中の地方間交流推進を通じて、両国の協力のために新たなチャンスを生み出すのか?日本の各地では、それぞれどんな資源を通じて中国各地と双方の強みによる相互補完を行うことができるのか?こうした視点に立ち、人民網日本株式会社では「ポストコロナ時代の中日協力の新たなチャンス——日本都道府県知事シリーズインタビュー」を企画。47都道府県の知事を訪ね、独占インタビューを展開していく。人民網が伝えた。(文/孫璐、葉習民、李沐航、呉穎)

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日本での新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、何度か延期された人民網の広島取材がようやく実現した。

広島県は瀬戸内海に面し、独特な地理的特徴が風光明媚な自然風景を形作っているだけでなく、豊かな物産をもたらしてもいる。日本の8大都市圏の1つである広島県は各種の産業が揃い、総合的生産競争力が高く、さまざまな強みを備えている。同時に、広島県は各分野の著名人も輩出してきた。中国でも知る人の多い有名デザイナーの三宅一生、歌手・俳優の西城秀樹、女優の綾瀬はるかは、いずれも広島県出身だ。そんな広島県の湯崎英彦知事がこのほど広島県庁で人民網のインタビューに応じた。

■チャレンジ精神と先端技術を結合、産業集積型製造業が発展

いち早く中国市場に進出した日本の自動車メーカーであるマツダは中国の消費者にも広く知られており、その本社は広島県にある。湯崎知事は「自動車製造は広島県の主たる得意分野だ」と繰り返した。広島県には自動車産業以外にも造船、鉄鋼、電子機器、通信機器、環境保護設備など多くの独創性を持つ企業や業界のトップ企業が集まっており、「製造業強県」と言える。

「広島県は日本で最も海外の移民が多い県であり、人材及び技術など多くの要素が集まり、融合して、チャレンジ精神に富む地となっている。そして、こうしたチャレンジ精神が先端技術と結びついて、企業の協力・開発・イノベーションの原動力に変わり、広島県の大きな強みとなっている」と湯崎知事は語った。

湯崎知事は、「広島県は自動車製造分野の技術革新と研究開発を非常に重視しており、『ひろしま自動車産学官連携推進会議』を特別に立ち上げ、自動車産業の開発段階から生産段階までのデジタル研究開発を推進し、感性工学分野の共同研究を推進して、どうすれば利用者がより快適な乗車体験を得られるかを探究している。また、製造業の高度化を効果的に促進するため、『ひろしまものづくりデジタルイノベーション創出プログラム』を打ち出し、サプライヤーと他の産業のデジタル融合を推進している。まさにこうした努力によって、広島県は常に製造業の最先端にある」と例を挙げて説明した。

■資源豊富な瀬戸内海沿岸、現代と伝統の共存する自然風景を育む

世界で初めて原子爆弾による爆撃を受けた都市である広島市は、世界文化遺産に登録された「原爆ドーム」を現在も保存している。「平和記念資料館」では、世界各地から絶え間なく訪れる来館者たちが歴史を振り返るとともに、平和の問題を真剣に考えている。

広島観光について、湯崎知事は特に瀬戸内海を紹介。世界的にも珍しい翡翠色の瀬戸内海を見に行くことや、世界のサイクリング好きな人々に人気の「しまなみ海道サイクリングロード」を勧めている。湯崎知事によると、広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ全長約60キロメートルのこのサイクリングロードは、瀬戸内海の大小の島々をつなぎ、「自転車で橋の上を走っていると、まるで空を飛んでいるような感覚を味わえる」のだという。

瀬戸内海は日本の本州、四国、九州の間に位置し、細長い海域に大小さまざまな700以上の島が点在する。有名な小島の厳島(別名「宮島」)には、世界で唯一の海上神社「厳島神社」がある。1400年以上の歴史を持つ厳島神社は「日本三景」の1つに数えられており、広島県にあるもう1つの世界文化遺産だ。海面上に高々と聳え立つ大鳥居は荘厳かつ神秘的で、広島の象徴となっている。

広島県は海に面しているだけでなく、山地を背にしてもいる。美しい海と山が、広島県に豊富な物産をもたらしている。湯崎知事は、「広島に来たら、『和牛』の源流の1つである『広島牛』や、生産量日本一の瀬戸内海の牡蠣を忘れずにぜひ味わっていただきたい」と語った。

■中国の友好省との協力を深化、広島企業の積極的な中国市場進出を後押し

広島県は中国との交流や協力を非常に重視している。広島県の多くの企業が現在、中国市場でのシェア拡大に力を注いだり、生産拠点を中国に広げたりしている。

湯崎知事によると、広島県は1984年には四川省と友好提携を締結しており、2011年には四川省と経済交流協定も締結し、2012年には広島・四川経済交流事務所を設置した。四川省と友好関係を構築して以来、双方は商工業、農林業、教育、文化などの分野で幅広い交流を実施してきた。2019年には四川省生態環境庁から3人の研修員を受け入れたほか、友好提携締結35周年記念行事を契機に成都市で環境保護分野のビジネス商談会を開催した。

現在までに広島県は水、大気、廃棄物管理などの分野で、四川省に技術及びシステム面の支援を行ってきた。湯崎知事は、広島県として今後、中国側と環境保護分野で協力を拡大することを特に望んでいる。湯崎知事によると、環境保護は日中間の非常に重要な連動分野となっており、今後も広島県は回収廃棄物の燃料化の技術支援、水のクリーン化の技術開発などの面で中国とさらに協力していく。

湯崎知事は、日中の各地方間の交流は両国関係の促進と発展にとって非常に重要だと指摘。「広島県は四川省と長年にわたり青少年交流を続け、若い世代の相互理解を深めることで、日中友好の中心となる力、後継者を育成してきた。これは大変意義深く、今後もさらに続けていきたい」とした。

また、「中国は経済面でまだまだ発展していく国。特に広島県と友好提携している四川省は『一帯一路』(the Belt and Road)の重要な物流拠点として発展し続けていくだろう。今後、広島県は四川省にある経済交流連絡事務所を拠点に、引き続き中国各地との経済貿易関係を後押しし、県内企業の中国企業とのビジネスマッチングを進めていく」とした。

瀬戸内海の自然の風景、宮島地区の細工や陶器、もみじ饅頭や広島風お好み焼き、熊野筆や日本酒など広島各地のイメージが、知事にインタビューをするうちに一つ一つ眼前に広がっていった。湯崎知事は、「広島県は交通が発達し、気候が温暖で、四季を通じて海の幸が豊富。是非、広島に遊びに来てみてください!」と中国の人々を歓迎するメッセージでそのインタビューを締めくくった。(提供/人民網日本語版・編集/NA)

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