日本でタンス預金が増加、専門家「使い道がないから」―中国メディア

人民網日本語版    2021年5月21日(金) 7時0分

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新型コロナウイルス感染症の中で世帯支出が減少し、日本国民の間で個人の「タンス預金」が増えている。資料写真。

新型コロナウイルス感染症の中で世帯支出が減少し、日本国民の間で個人の「タンス預金」(手元の現金を家の中に置いておくこと)が増えている。日本銀行(中央銀行)が3月に発表した2020年10-12月の資金循環統計によると、日本の個人が保有する現金が初めて100兆円を突破し、過去最高額を更新したという。この現象について、第一生命経済研究所の永濱利廣首席エコノミストは、「今、人々は使うお金がないのではなくて、使い道がないのだ」との見方を示した。人民網が伝えた。

永濱氏は、「レストランなどの飲食サービスにお金を使いたいと思っても、今の感染状況では、サービス業の店の営業時間が短縮されたり、仕事がテレワークになったりして、お金の使い道がない」としている。

現金を銀行に預けないで家において置くのはなぜか。人民網が60~70代の日本人数人を取材したところ、「銀行の利息が低すぎて話にならない。いっそのこと現金を家に置いておく方が確実だ」と考えていることがわかった。若い人も「タンス預金」にそれぞれの見方がある。ある30代の男性は、「貯金は『守り』の行動で、『いざというときに』お金があれば緊急事態に対処できる」と答えた。日本ではこれまで、農村地域に暮らしている人や自営業者が多額の現金を家に置いていた。それが今は、「タンス預金」をする人に目立った地域差や職業の違いはなくなった。

日本の銀行預金の利息はほぼゼロだ。日本のサラリーマンや若い世代の家庭では、家に置いておくよりも、銀行の定期預金に預けたり、何かの保険に加入したりして、将来得られる利益をさらに増やそうとする人が多い。ある30歳の女性は、「夫と二人で頑張って働いて貯めた貯金は銀行に預けるか投資に回すことを考えている。『タンス預金』はしない。日本はもともと地震が多い国で、家にお金を置いておくと、自然災害が起きた時に、現金が流出してしまうリスクが高くなる。それでも突発的な災害に備えて、少しは家に現金をおいて置く。銀行預金以外に、ネット銀行を通じた投資もいくつか検討中だ」と話した。

「タンス預金」をよくするのはどんな人たちか。ある60代の男性は、「今『タンス預金』をする人は高齢者が多く、特に高齢の女性が多い。だから高齢の女性をターゲットにする詐欺グループが多い。ATMの操作や電子マネーの利用に不慣れなのも、高齢者が長年にわたり家に現金を置き続ける理由で、その方がいつでも使えて便利だからだ。また、日本で個人情報の漏洩事件などがたびたび発生し、若者も含め、一部のオンライン決済に対する不安感を拭えない人が多く、そのため多くの人が、特に高齢者が手元に現金を蓄えておく」と説明した。

永濱氏は「『タンス預金』の欠点は、利息や配当が全くないことだけでなく、災害や盗難に遭った時、損失に対していかなる補償も行われないことだ。現在、日本人が家に置いている現金が増え続けており、これは社会の中で通貨を効果的に使用する割合がどんどん低下することを意味し、日本経済の持続的な低迷の1つの要因にもなっている」と指摘した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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