動物園からヒョウ3頭逃げ出すも公表せず「パニック発生を心配」と釈明―杭州

Record China    2021年5月9日(日) 22時0分

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浙江省杭州市にある杭州野生動物世界で、ヒョウ3頭が逃げる事故が発生した。しかし、杭州野生動物世界は事故発生を否定し続けた。写真は、林の中で目撃されたヒョウ。

湖北省メディアの極目新聞によると、浙江省杭州市にある杭州野生動物世界でヒョウ3頭が逃げる事故が発生した。周辺地域では1日にはヒョウが目撃されたが、杭州野生動物世界はヒョウが逃げたことを認めなかった。正式に認めたのは8日夕方になってからで、「発表した場合にパニックになることを心配した」などと釈明した。

極目新聞によると、逃げ出したとみられるヒョウの姿を最初に撮影したのは、近くで茶の栽培をする祝さんだった。祝さんは1日、施肥作業をしていたが、午後1時ごろに休憩しようとした時に、林の中にヒョウらしき動物がいることに気づいた。祝さんは写真を何枚も撮影した。撮影されたのは、見たところ「全身に“ヒョウ柄”があるネコ科の動物」のようだった。

極目新聞の記者は6日午後になり、地元の警察関係者から「動物を捜索している」との証言を得た。ただし杭州野生動物世界の関係者はこの時点で、取材に対して施設から動物が逃げる事態は発生していないと述べた。行政の林業部門からヒョウが出現しているとの連絡があったので、現場に人員を派遣して捜索に協力していると説明したという。

7日夜には、ヒョウと見られる動物が住宅地域を歩いていたことが確認された。現場は杭州野生動物世界からも、最初に動物が目撃された茶畑にも近かったが、杭州野生動物世界はヒョウが逃げたことを認めなかった。

杭州野生動物世界は8日午前10時、「施設で発生した安全上の問題を速やかに処理し防護する」ことを理由として、閉園すると発表したが、「ヒョウの逃亡」については言及しなかった。極目新聞によると、既に「ヒョウと見られる動物が出没しているので、夜間には外出せぬように」との村からの通知を受けていた住人もいた。

杭州野生動物世界の所在地である杭州市富陽区政府は8日夜になり、「杭州野生動物世界からヒョウの未成獣3頭が逃げ、うち1頭を捕獲した」と発表し、杭州野生動物世界に閉園を命じた上で、ヒョウが逃げた原因を調べ、リスクを洗い出していると説明。また、杭州野生動物世界の責任者の身柄を拘束していることも明らかにした。

武漢動物園の技術責任者である高燕鴻氏は極目新聞の取材に応じて、ヒョウの危険性について「身体能力が高く、視覚と嗅覚は極めて敏感。身のこなしは機敏で、泳げる上に木登りも得意」と説明。「戦う能力」という面では成人男性程度で、女性や未成年にとっては脅威という。

高氏は動物園で猛獣が逃げた際の対策について、「緊急対応策に従って入園者を直ちに避難させて閉園する。政府主管部門に報告して、逃げた動物の捕獲をせねばならない」と説明。事態が深刻な場合には、ただちに警察などにも状況を説明し、一般大衆に向け注意喚起をせねばならないという。

8日には、2頭目のヒョウが見つかり、犬にかみ殺されたとの情報が出回ったが、誤情報だった。犬を引き連れた捜索隊がヒョウを発見したが、犬はヒョウを包囲して吠えていただけだったという。出回った動画では犬の体に血がついていたが、ヒョウの血ではなく、反撃して傷を負った犬の血だったという。

ただし、同日午後6時ごろには、捕獲された2頭目のヒョウが杭州野生動物世界に戻された。麻酔銃で撃たれていたが、杭州野生動物世界到着時には意識を回復しつつある状態だったという。

杭州野生動物世界は8日午後5時過ぎに謝罪声明を発表し、「逃げ出したヒョウは未成獣であって攻撃性が比較的弱い事を考慮し、パニックが起きることを心配して情報を速やかに公開しなかった」と釈明した上で、「この事態が引き起こした影響について深刻に反省し、深くお詫びいたします」などと表明した。(翻訳・編集/如月隼人

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