半導体をめぐる世界の競争はさらに激化―中国紙

Record China    2021年4月21日(水) 8時20分

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中国紙・経済日報は19日、半導体をめぐる世界の競争はさらに激化するだろうと報じた。写真は中国上海で開催中の2021年上海モーターショー(第19回上海国際自動車工業展覧会)。

中国紙・経済日報は19日、「世界の自動車産業は今まさに半導体不足に悩まされており、世界経済の回復見通しも暗い影に覆われている」とし、供給チェーンへの懸念から半導体をめぐる世界の競争はさらに激化するだろうと報じた。

▼「強大な半導体」を目指す欧州

記事は市場分析機関や自動車大手各社が「現在の半導体供給の緊張局面が今年上半期に緩和される可能性はほとんどない」とみていることを説明し、半導体不足によって欧州の同産業における弱点が明るみに出たと指摘。欧州が誇りとする基幹産業の自動車産業が脅かされて人々は世界の半導体産業における欧州の地位と役割を真剣に振り返り始め、独立・強大な半導体産業をいかに構築するか計画するようになったと伝えた。

そして、半導体分野の「独立自主」を実現させて米国、アジアの大手への依存度を下げる具体的な動きが欧州にあることに言及し、こうした国々は「欧州は世界トップクラスの製品を設計、生産する能力を備えるべきで、欧州連合(EU)間の協力を強化せねばならない。設備、原材料、設計、製造、パッケージなどを含む全産業チェーンへの投資を拡大すべきだ」との認識を持っていると紹介。EUが将来的に20%前後の世界シェアを目指すとしていることやインフィニオン・テクノロジーズの生産能力拡大、自動車部品大手ボッシュの半導体工場新設などに触れた上で、「欧州が世界の半導体産業で一角を占めるには特技を生かさなければならない。パワー半導体やセンサーなどで欧州企業は世界トップレベルにあり、この優位を維持する必要がある。一方、6G通信ネットワーク、人工知能などの先端分野ではペースを加速し、先手を打つべきだ」との分析があることを伝えた。

▼問題解決の「処方箋」を模索する韓国自動車メーカー

記事は次に韓国について、「自動車用半導体の世界的な供給不足という状況の中、生産停止や生産縮小は韓国自動車メーカーが直面せざるを得ない難題になった」と指摘した。また、これが韓国の就業率や従業員の収入に打撃となるだけでなく、韓国経済の成長見通しにも一定の影響を与える可能性があると説明。「この難題はなかなか解けず、政府レベルにまで浮上した」として政府や自動車産業団体、関連企業が半導体不足の解決に向けた意思疎通を続けているとし、「政府が先頭に立って『未来車―半導体連帯協力協議体』という名の応急処置メカニズムを立ち上げ、産業通商部や関連企業、研究機関が継続的に交流し、既存の問題や支援措置を共同で検討できるようにした」と紹介した。

記事によると、数回の協議を経て短期的には輸入を拡大し、長期的には国産化を推進するとの対策が大まかに確定したとという。

記事はさらに、韓国の自動車メーカーに半導体を供給しているのは主に海外企業だとし、「韓国はまず海外の供給側との協議を強化して切迫した事態の打開を図ることを決めた。これと同時に、韓国の税関と防疫当局はできるだけ便宜を図る構えだ」と述べて半導体のスピーディーな通関や半導体問題のために出国した人が入国した際の隔離免除に言及。そして「韓国は半導体強国だが今回の件は自動車企業の輸入依存、国内の自動車用半導体の生産量の少なさという問題をあらわにした」と論じ、その国産化率を引き上げて供給チェーンのリスクを下げることが韓国の自動車および半導体産業の大きな課題になっていると指摘した。

▼輝きを取り戻そうとする日本

記事は最後に日本について「日本の自動車産業における半導体供給の緊張局面には多くの原因がある」と言及、半導体のアップグレードが世界的な供給不足を引き起こし、一部の企業や国が次々と調達して中には「買占め」まで起きたと指摘。また二つ目の原因として国内の生産能力が地震や火災による影響を受けたことを説明し、複数のメディアが「日本の緊張局面は長時間続くことが予測され、日本政府や産業界の対応強化が急がれる」と報じていると伝えた。

そして、「現在の半導体不足は短期的な現象だが、長期的に見るとかつて世界を制した半導体大国・日本は以前の輝きを失っており、どのように沈下を防いで産業の再出航を促進するかは日本経済の長期的な発展に関わっている」とし、「最近の半導体不足に日本政府は関連政策を策定し、産業界と連携してかつての輝きを取り戻そうとしている」と紹介。「昨年策定された『グリーン成長戦略』の中で半導体産業は重点発展分野の一つとなった」「先日、経済産業省は専門家やルネサスエレクトロニクス、NTTなど主要企業の責任者らとの半導体戦略会合を開き、半導体の供給チェーンの強化や先端技術の研究開発などをめぐって討論を行った」などとした他、産業技術総合研究所、キヤノン、東京エレクトロン、SCREENセミコンダクターソリューションズが半導体開発で協力することを伝えた。

記事はまた、日本企業の研究開発の強化を支援すると同時に日本は世界トップクラスの企業の誘致にも力を入れているとし、台湾のTSMCが2月、茨城県つくば市に研究開発拠点を設けると発表したことに言及。「このところ、日本メディアは新技術の開発支援によりいっそう力を入れるよう政府に呼び掛けている」とも紹介した。(翻訳・編集/野谷

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