「路上ライブ」する視覚障碍者の父親の隣で一心に勉強する少年の姿―中国

人民網日本語版    2021年3月30日(火) 16時10分

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たくさんの人が行き来する街中の道端に腰掛け宿題をしている少年の横で、視覚障碍者の父親が大きなスピーカーを置き、歌を歌って収入を得ている様子を捉えた画像が、中国のネット上で話題となっている。

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たくさんの人が行き来する街中の道端に腰掛け宿題をしている少年の横で、視覚障碍者の父親が大きなスピーカーを置き、歌を歌って収入を得ている様子を捉えた画像が、中国のネット上で話題となり、ネットユーザーらを感動させている。広西チワン族自治区柳州市の街中では、この光景がもう7年にもわたって続いている。中国新聞社が伝えた。

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週末になると、柳州市の飛鵝立体交差橋の下には、韋慶逍君(13)と父親の韋利念さん(37)が姿を現す。3月21日、慶逍君はいつも通り、大きなスピーカーの準備を整えてから、教科書やノートを取り出し、道端に座った。

隣で利念さんが歌を歌っているにもかかわらず、慶逍君は真剣な表情で勉強していた。

人通りが多く、利念さんの歌声は小さくないが、慶逍君の勉強に対する集中力にはまるで影響を与えていないようだ。通りかかった人が、鉄のボックスにお金を入れてくれた時だけ、勉強の手を止めて、頭を下げて感謝していた。父親の「路上ライブ」に付き添っている間に、慶逍君は英語の宿題を終わらせ、「こういう生活にはもう慣れた。どこで勉強しても同じ」と話した。

■父親の「目」となり、歌を歌いに行く父親をサポート

慶逍君は物心がついた頃から、父親は目が見えないことを知っており、「お母さんから、お父さんを助けてあげてといつも言われている」と話す。

「マッサージや歌、作曲を勉強したことがある。広東省に行って働いた後、柳州に移って来た」と話す利念さんは、3歳の時に、ある病気が原因で両目の視力を失った。

慶逍君の一家が現在住んでいる40平方メートルの借家には、マッサージベッドが2つと勉強机が1つ並んでいる。そこは、利念さんの「マッサージ店」であり、一家の住居でもある。ただ、場所が悪く、部屋の内装も粗末であるため、マッサージに来る人は1カ月に数人だけで、それによる収入はほとんどない。そのため、妻がアルバイトで稼ぐ収入で何とか暮らしを立てているのが現状だ。

慶逍君は6歳の時から、利念さんの「目」となり、街中に出かけ、利念さんが歌を歌って収入を得ることができるようサポートしてきた。慶逍君の母親は、「初めは、私も付いて行っていた。でも、何回か行くと慣れたので、2人で行ってもらうようになった」と振り返る。

慶逍君が中学生になってからは、勉強がおろそかにならないようにするため、週末だけ街中に出かけるようになった。こうした日常はすでに7年目となり、慶逍君も小さい男の子から、父親よりも背の高い少年へと成長。しかし、二人の「絆」は今も変わることなく続いている。

■努力は必ず報われる

貧しい生活の中でも、慶逍君の真面目に学ぶその姿に多くの人が感動している。

週末になると、慶逍君はいつも歌を歌う父親と一緒に街中に行く。二人のことを知って、7キロ離れた場所からわざわざ公共バスに乗ってやって来たある高齢の女性(81)は、ビスケットと水、服、そしてお小遣い40元(約670円)を慶逍君に渡し、慶逍君の頭をなでながら、「本当にいい子だ」と褒めてくれたという。

少し前には、慶逍君は通りがかったある人から本を数冊と、「知識は運命を変えてくれる」と書かれたメモをもらったという。

そして努力は必ず報われるものだ。真面目に勉強する慶逍君は、校内優秀学生、三好学生(身体・学業・思想ともに優秀な学生)、隊の優秀幹部、さらには柳州市の「三好学生」などに何度も選ばれ、たくさんの賞状を手にしている。

中学に入ってからは半学期のうちに、「中間テスト成績優秀賞」、「生物成績優秀賞」、「学校やクラスの活動に積極的に参加し、学習態度が際立っている賞」など、たくさんの賞を受賞した。

親切な人の助けに対して、慶逍君は、感謝の気持ちを忘れず、「一生懸命勉強して、いつか助けてくれた人に恩返しをし、僕のようにたいへんな生活をする人を助けることができるようになりたい」と話した。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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