日本経済の中国依存度とリスク対応(3)輸入データから見える日中貿易の変化

松野豊    2021年3月20日(土) 13時30分

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日本が中国から買っているもの(輸入品)について、最新の統計データから「中国依存度」をみてみよう。

次に、日本が中国から買っているもの(輸入品)について、最新の統計データから「中国依存度」をみてみよう。

財務省「貿易統計」によると、中国からの輸入品は近年、電気機器、電算機類、化学品(有機化合物、医薬品)などが増加している。また携帯等の通信機はやや減少し、これまで多かった衣類・附属品の輸入は減少に転じ、そして食料品はほぼ横ばいである。

輸入量は日本国内の景気動向にも左右されるが、衣類については製造拠点のASEAN移転促進、食料品は日本での安全志向の高まり、通信機は米中貿易摩擦の影響をそれぞれ受けている可能性がある。

図1は、同じく「貿易統計」を使って、中国からの主な輸入品目における輸入額の中国の割合を計算してみたものである。近年中国からの輸入割合が顕著に増加しているのは、電算機類と電気機器(携帯を含む)であり、原料品(鉄鋼、金属、非鉄金属製品)も増加している。また食料品や化学製品は近年ほぼ一定の輸入割合である。また衣類・附属品は、中国割合が減少に転じ、製造拠点の中国外移転が進んでいることもわかる。


図1 日本の輸入額における中国の割合

以上のことから、日本の輸入品において現時点で中国依存度が高いと言えるのは、電算機類(パソコン、周辺機器)、電気機器(携帯電話等)、原料品(鉄鋼、金属、非鉄金属)の3品目であることがわかる。

一方で日本と中国の産業補完によりこれまで全面的に中国に依存していた衣類・附属品は、近年中国依存度が低下しつつあり、また食料品と化学製品(化合物材料等)は、中国依存度は10%強で安定している。

本稿では、輸入品目から日本の中国依存度を考察してみた。現在コンピュータを含む電気製品は、世界でみてもほとんどが中国で生産されており、日本の中国依存度が高いのは必然であろう。すると現時点で考えておかなければならないのは、原料品の中国依存度である。しかし原料品は多種多様なものが含まれるので、さらに個々の材料にまで掘り下げて考察しなければならない。

以上、日本と中国の輸出入品目の分析から中国依存度をマクロにとらえてみた。次稿ではこうしたデータなどを参考に、日本が今後どのようなリスク対応を考えていくべきかを考察してみたい。

■筆者プロフィール:松野豊 大阪市生まれ。京都大学大学院衛生工学課程修了後、1981年野村総合研究所入社。環境政策研究や企業の技術戦略、経営システムのコンサルティングに従事。2002年、同社の中国上海法人を設立し、05年まで総経理(社長)。07年、北京の清華大学に同社との共同研究センターを設立して理事・副センター長。 14年間の中国駐在を終えて18年に帰国、日中産業研究院を設立し代表取締役(院長)。清華大学招請専門家、上海交通大学客員研究員を兼務。中国の改革・産業政策等の研究を行い、日中で講演活動やメディアでの記事執筆を行っている。主な著書は、『参考と転換-中日産業政策比較研究』(清華大学出版社)、『2020年の中国』(東洋経済新報社)など。

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