二胡らしい二胡の音色を堪能するために―名手・劉継紅さんが東京でコンサートを開催

Record China    2021年3月10日(水) 1時30分

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二胡の名手、劉継紅さんが15日、東京文化会館小ホールでコンサートを開催する。劉さんは日ごろから「「二胡の演奏では二胡らしい音を出さねばならない」と主張している。

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日本人でも中国音楽、あるいは二胡のファンならほとんどの人がその名を知っているであろう劉継紅さんが15日、東京文化会館小ホールでコンサートを開催する。「二胡の演奏では二胡らしい音を出さねばならない」と日ごろから主張しており、しかも技術面でも極めてレベルの高い演奏家であるだけに、期待が持てそうだ。

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劉さんの経歴において「決定的だった」とも言えるのは、二胡の大家である張鋭氏(1920-2016年)と、板子、京胡、二胡など、さまざまな胡琴類楽器(中国胡弓)で傑出した演奏をした劉明源氏(1931-96年)に師事して、みっちりと指導を受けたことだ。そして、劉さんが現在の二胡界にあって貴重な演奏者であることには、中国における民族音楽演奏の世代交代も関係している。

二胡の演奏を「芸術的境地」にまで引き上げたのは、演奏家、作曲家であり教育家であった劉天華の功績とされている。劉天華以来、長い目で見れば二胡の演奏水準は向上し続けてきたと言えるわけだが、最近になり問題点を指摘する声もある。特に若い世代の演奏者の場合に「二胡らしくない演奏が増えた」と言うのだ。

劉天華がバイオリン奏法を重視して近代的な二胡の演奏方法を編み出したのは事実だが、最近では「バイオリン奏法をあまりにも偏重」という指摘だ。劉継紅さんもそういった傾向を問題視している一人で、3月15日のコンサートでは、1920年から2020年の間に演奏されるようになった曲について、それぞれ当時の奏法を用いるという。もちろん、最近の作品には最新の奏法を投入する。「独特の深みと柔らかみ」に定評がある、劉継紅さんの「二胡の世界」を改めて堪能できそうだ。演奏曲は「月夜」、「空山鳥語」、「河南小曲」、「二泉映月」などを予定している。

劉継紅さんは江蘇省南京市の出身。10代で中国電影楽団のコンサートミストレス兼ソリストになった。その後もソリストとしての道を歩み、中国の民族音楽楽団の最高峰である中央民族楽団が1997年に行った来日公演でもソリストを務めた。また、日本のレコード会社からリリースされたものを含め、CDなどを多数制作している。さらに2011年からは東京音楽大学民族音楽講座の講師を務め、16年には同大学大学院の客員教授に就任した。それ以外にも日本における二胡の普及と演奏レベルの向上に力を注いでおり、日本人の弟子は累計1000人近いという。中国国内で後進を育成する活動にも力を入れており、音楽分野の“超名門大学”である中央音楽学院および首都師範大学の客員教授を務めている。(編集/如月隼人

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