QUAD、「実質的な同盟形成は困難」と中国メディア、米誌も「経済連携なしでは」と疑問視

Record China    2021年3月1日(月) 8時0分

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中国をけん制する日米豪印のQUADについて、中国メディアは「実質的な同盟形成は困難」との見方を示した。米紙も「中国の『武器』は巨大な消費市場で経済連携なしでは」と疑問視した。

中国をけん制する日本、米国オーストラリア、インド4カ国の戦略対話(QUAD)について、中国メディアは「実質的な同盟形成は困難」との見方を示した。米紙も同様の見立てで「中国の『武器』は巨大な消費市場。経済連携なき軍事同盟では太刀打ちできない」と疑問視した。

中国網に寄稿した胡波 ・南中国海戦略態勢感知計画主任は「4カ国の東シナ海・南シナ海などの中国関連の海洋問題に関する関心事と政策は異なっている」と指摘。まず「米国の優先事項は自国にとって有利な勢力構造と主導権を維持することだ」と述べた。日本に関しては「中国と釣魚島(沖縄県・尖閣諸島)や東シナ海の境界線などの問題で係争中だ」と言及。「そのため米印豪などの係争とは無関係の国を自分側に抱き込もうとしている」とみている。

豪州は「アジア太平洋の『副保安官』を自称している」と説明。「中国関連の海洋問題においては米国に追随している。これは豪州が建国以降、遠交近攻の伝統を持ち、アジアのいかなる大国も信頼せず、かつ西側の傲慢(ごうまん)さを持っていることが根本的な理由だ」とした。インドは「世界的に見て、海洋の自由の制限が最も多い国の一つだ。近年、関連海域の問題で声を出しているが、米日豪ほど強い調子ではない」と分析した

こうしたことから、胡氏は「4カ国の協力も現在、外交および世論のレベルにとどまっており、短期間内に実質的な同盟を形成する可能性は低い。実質的な動きと比べると、外交面で姿勢を示すコストは割安だ」と断言。同時に「今日の中国はもはや100年前の中国ではなく、今日の世界も100年前の世界ではない」とも付け加えた。

一方、米誌ニューズウィークは国立シンガポール大学フェローのキショール・マブバニ氏が執筆した「強大化する中国を前にQUADが無力な理由」との記事を掲載。この中で同氏は「残念ながらQUADではアジアの歴史の流れは変えられないだろう。理由は二つ。4カ国の地政学的利害と中国に対する脆弱(ぜいじゃく)性がそれぞれ異なるから。そして何より、大規模な戦略的駆け引きは軍事ではなく経済分野で起きているからだ」と論じた。

さらに「経済こそが覇権争いの舞台だ」と強調。「米国がTPP(環太平洋経済連携協定)から、インドがRCEP(東アジア地域包括的経済連携)から抜けた結果、中国を軸とする巨大経済圏が展開している。1970~80年代に米国の巨大な消費市場がソ連を倒したように、成長し続ける中国の巨大消費市場がこの地域の覇権争いに決着をつけるはずだ」と予測した。(編集/日向)

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