天から犬が降ってきた、直撃された女性に重度の障害、賠償金1900万円の判決―広東省

Record China    2021年2月7日(日) 19時50分

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広東省広州市で、建物近くにいた女性が屋上から転落してきた大型犬の直撃を受け重度の障害者になった事故について、集合住宅側の責任者に日本円で1900万円相当の賠償金を支払うことを命じる判決が言い渡された。

広東省メディアの広州日報などは5日、2階建て建物の屋上から転落してきた大型犬の直撃を受けて負傷した女性が重度障害者になった事故について、集合住宅側の責任者に117万元(約1900万円)を支払うことを命じる判決が言い渡されたと報じた。

事故は広東省広州市白雲区内にある賃貸用に使われている建物の近くで2018年4月15日午後2時ごろに発生した。

建物近くで作業をしていた女性のAさんは、落下してきた大型犬の直撃を受け、意識を失った。犬はそのまま走り去ったという。Aさんには障害が残り、介護してもらわねば生活が全く不可能な状態になった。

警察は監視カメラの映像を確認するなどで犬の飼い主を探ったが、判明しなかった。Aさんは、建物入居者全員の十数人を被告として、損害賠償を要求する裁判を起こした。異例な裁判だったので審理が長引き、広州市白雲区人民法院(地裁)は21年2月5日になって、被告のうち2人に計約117万元をAさんに支払うよう命じる判決を言い渡した。

大型犬は2階建て建物の屋上から転落したと判断された。同建物は事故発生当時、外部から自由に入り込める状態で、屋上にも行けたという。屋上は共用スペースだったが、二階部分に入居していた電子関連工場は、夏の暑さをやわらげるために屋上に花壇や池を設けていた。

Aさんは裁判を起こすに当たり、「建物から物品を投げ出したり、物品が落下して他人に損害を与えた場合、権利侵害の具体的責任者の特定が困難な場合、自らに他人(被害者)に対する権利侵害の事実がなかったと証明できた者を除き、建物を使用していた者全員に損害補償をさせてよい」と定められた権利侵害責任法の条文を論拠とした。

裁判では、屋上を使ったことがないとして、自分には責任がないと主張する被告もいた。裁判所は建物の物件を貸し出していた個人1人と、実際に屋上部分を使用していた電子関連工場に対して、安全を確保する措置を取らなかったために、犬が勝手に屋上に上って転落する事態を引き起こしたとして、連帯してAさんに117万元を支払うよう命じる判決を言い渡した。

広州日報によると、電子製品工場の責任者は、今は広州におらず「判決については知らない」と述べた。同じく賠償金の支払いを命じられた男性は、「私の犬ではない」「私が犬を投げ落としたならまだしも、私と(事故が)にどんな関係があるのか全く理解できない」として、判決は受け入れられないと述べたという。被告には、控訴する権利が認められている。(翻訳・編集/如月隼人

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