NiziUの出現で変化した“アイドル勢力図”、会いに行けるアイドルに会えない致命傷

ヘッドライン    2021年1月15日(金) 10時50分

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NiziUのようなダンスボーカルグループまで含め、広い意味での女性アイドルグループの勢力図は、昨年から一気に変わってきたという。写真はNiziUの公式Instagramより。

日韓合同のオーディションプロジェクト発のグループとして昨年デビューした9人組ガールズグループ、NiziU。プロデューサーのJ.Y.Parkのもと、そのオーディション段階の様子がドキュメンタリー仕立てで放送され、デビュー前からすでにその人気は高まっていた。

▼変化を感じるAKBの苦戦

「LDHのE-girlsや、韓国で結成されたTWICE、韓国のオーディション番組で選ばれ、宮脇咲良や矢吹奈子らも所属するIZ*ONEなどは、近年人気を集めてきた“アイドル的要素を持ったアーティスト”という位置づけのグループですね。E-girlsは昨年末に解散しましたが、これらのファンがNiziUに流れ、テレビや配信の連動効果、さらに芸能人にNiziUファンが多い。彼らがいろいろな場でファンを公言した効果もあってか、一気に人気が爆発した印象があります」と語るのは、あるアイドルウォッチャー。

NiziUのようなダンスボーカルグループまで含め、広い意味での女性アイドルグループの勢力図は、昨年から一気に変わってきたという。

「まずAKB48の苦戦に時代の変化を感じます。昨年の最新シングルこそ、これまでと変わらずミリオンセラーを記録していますが、一般層への認知度は、かつて『神7』と呼ばれたメンバーがいた時代のことを考えると段違い。昨年の紅白歌合戦に落選したことは、大きな話題にもなりました」(前出)

そのAKBが落選した紅白には乃木坂46、櫻坂46、日向坂46の3つの「坂道シリーズ」グループが出場したが、

「毎分視聴率のグラフでは、乃木坂の出演した時間が歌手別での最低視聴率だったそうなんです(歌唱途中で視聴率は上昇)。AKBから坂道の時代へと言われ、セールスも好調だっただけに、意外でした。ほかにもBiSHなど新しい人気グループも登場していますが、大ブレイクには届かない状況です」(前出)

乃木坂なども、NiziU旋風に巻き込まれ、厳しい状況に追い込まれつつあるのだろうか。ある芸能ジャーナリストは言う。

「やはり、アイドルの接触文化が実質消滅状態にあることは、かなり大きいです」

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、握手会などのいわゆる「接触イベント」は、事実上開催されなくなってしまった。

「AKB48が『会いにいけるアイドル』というコンセプトの一環としてその手法を大きく取り入れたことで、握手会のためにCDを複数買うことを、“AKB商法”と呼ばれることもありました。AKBをはじめ、女性アイドルグループのCDのリリースが一時期止まってしまったのは、そのような特典会が開催できなくなってしまったことが大きいです。リモートによる『お話会』や『インターネットサイン会』など、それぞれ新しい手法を模索中ではありますが、やはり直接的なふれあいに勝るものではなさそうです」

CDセールスよりも、ライブハウスなどを主戦場にした、地下アイドルたちも、大きな影響がある。前出のアイドルウォッチャーは言う。

「地下アイドル、ライブアイドルたちは、ツーショットチェキが撮れる『チェキ券』を購入してもらうことが、大きな収入源になっています。現在、ビニールシートやアクリル板ごしで再開していますが、再び出された緊急事態宣言により、ライブハウスは飲食店として営業認可を得ているので、営業時間の前倒しなどの対応に追われています。この先しばらくはアイドル界を取り巻く状況はかなり厳しい、冬の時代以上の氷河期に入ってしまっているのではないでしょうか」

▼NiziUは今年前半が勝負

そんな状況下だからこそ、人気を獲得することができたNiziU。配信やテレビとのメディアミックスがうまくいき、ステイホーム期間にこれらのメディアに注目が集まったのも勝因のひとつだ。

しかし、人気がさらに爆発するかどうかはまだ未知数だと、前出の芸能ジャーナリストは言う。

「みんなが盛り上がったのは、一緒に選抜されるメンバーやデビューまでの道のりをリアリティショーとして楽しめたからでもあります。つまり、デビューがゴールやピークになってしまう可能性もゼロではありません。実際、昨年12月にリリースされたファーストシングルは、『縄跳びダンス』が注目を浴びたプレデビュー曲の『Make you happy』ほどの話題を集めていない気がします。本格デビューを果たした後の今年前半の動き次第で、NiziUはAKBや坂道に変わるシーンの中心になっていけるかもしれません」女性アイドルのありかたも、大きな転換期にきていそうだ。〈取材・文/渋谷恭太郎〉

当記事は「週刊女性PRIME」(運営:株式会社 主婦と生活社)の提供記事です。

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