医学雑誌ランセットが9日に発表した最新の研究結果によると、76％の新型コロナウイルス感染症患者に発病から6カ月後も持続症状が少なくとも1つは見られ、そのうち疲労感と体に力が入らないことが最もよく見られる症状で、睡眠障害、不安・抑うつ状態も頻繁に見られるという。中国科学報が伝えた。

同研究は武漢市金銀潭病院、中日友好病院呼吸センター、国家呼吸医学センター、中国医学科学院病原生物学研究所が共同で行った。

この追跡調査研究は2020年6月16日から9月3日にかけて行われ、2020年1月7日から5月29日までの間に武漢市金銀潭病院を退院した患者1733人を対象とした。患者の中央値の年齢は57歳で、中央値の追跡調査時期は発病後186日。

研究によると、新型コロナウイルス感染症患者に最もよく見られた症状は疲労感や体に力が入らないこと（63％）で、26％の患者が睡眠障害を訴え、23％の患者が不安・抑うつ感があるとした。入院時に病情がより深刻だった患者は、発病から6カ月後も肺機能低下や胸部画像学上の異常が見られる可能性が高かった。これは肺機能がまだ完全に回復していないことを示している。

このほか、患者94人に対し、感染の急性期と発病6カ月後の新型コロナウイルス感染症抗体の検査を行ったところ、急性期と比べ、発病6カ月後の患者では体内中和抗体の力価が低下した人が半数以上いた（52．5％）。これは、新型コロナウイルス感染者に再感染の可能性があることを示している。

国家呼吸医学センター、中日友好病院、首都医科大学の曹彬（ズン・ビン）教授は、「新型コロナウイルス感染症は新しく発生した疾病であるため、われわれは患者の健康に対するその長期的影響をようやく知り始めたばかりだ。追跡調査の結果、大半の患者は退院後も引き続きこのウイルスによって少なくとも一部の影響を受けており、特に入院時に病情が深刻だった患者に対しては、退院後の医療ケアが非常に必要なものとなる。われわれの研究は、この疾病が人体に及ぼすと考えられる全面的な影響を知るために、より多くの人を対象にしてさらに長期にわたる追跡調査を行う重要性があることも示している」と指摘した。（提供/人民網日本語版・編集/AK）