アベノミクス、地獄の一丁目に差し掛かる―中国メディア

Record China    2014年4月16日(水) 6時50分

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15日、「モノが高くなった」―これは今月1日の消費増税以降、日本人が最も不満に思っていることだ。「消費増税」は最近、日本の最多検索語になっている。

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2014年4月15日、「モノが高くなった」―これは今月1日の消費増税以降、日本人が最も不満に思っていることだ。「消費増税」は最近、日本の最多検索語になっている。国際商報が伝えた。

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安倍晋三首相は増税を発表した際に、経済成長により消費増税によるマイナス影響を相殺することを暗示し、市場に対して自信を示してきた。しかし多くのエコノミストは、アベノミクスが「地獄の一丁目」に差し掛かっており、無事これを突破できるか注目が必要としている。

◆日本国民は「嫌な感じ」

3月31日までに、駆け込み消費が日本で一般的な現象となった。これと比べ、今は寂しさが目立つ。取材に応じた日本人は、モノが高くなり「嫌な感じだ」と答えた。生活費が増加し、家計を切り盛りする主婦が不満を示している。

日本の新聞社がこのほど実施した、消費増税に関する全国世論調査によると、回答者のうち59%の男性と70%の女性が、「生活費を抑える」と表明した。

週刊誌は4月10日、「消費増税の影響により、ほぼすべての家電量販店が、今月の来客数と売上が前年同期比で半減すると見込んでいる」と報じた。消費増税による生活費の負担は、日本の一般人の消費能力と意欲を抑制するだろう。

◆増税+措置、功を奏するか?

安倍首相にとって、消費税率を5%から8%に引き上げるのは、一歩目に過ぎない。安倍首相は、経済に大きな影響がなければ、来年10月に消費税率を10%に引き上げると表明している。この一歩目の増税による8兆円の税収増、つまり消費者から得た資金の半分は基本年金に充て、日本の高齢者・育児・医療など福祉事業の巨額の赤字を補うことになる。

中国社会科学院世界経済・政治研究所国際金融研究室副室長の張明(ジャン・ミン)氏は、「安倍首相にとってはやむを得ない措置だった。安倍首相は記者に対して、経済成長と財政赤字の間で、後者の解決を優先したと語った」と指摘した。

消費増税と同時に、安倍首相は約5兆5000億円規模の景気刺激策を発表した。これにはハイテク企業の減税制度、増給に応じた企業への税制面の優遇などが含まれ、これにより経済成長を刺激する。

しかし中国社会科学院日本研究所経済室室長、副研究員の張季風(ジャン・ジーフォン)氏は、この措置の効果は非常に限られていると判断した。

張氏は、「5兆5000億円のうち、消費に直接用いられるのは11%の6500億円のみで、その他の89%は公共施設の建設、復興再建および安全措置、中小企業の投資助成などに用いられる。日本のある試算によると、日本の2013年の経済成長率は2.3%、2014年は0.7%のみとなっている」と指摘した。

◆安倍首相の「地獄の一丁目」

中国商務部(省)研究院アジア・アフリカ研究部部長、研究員の徐長文(シュー・チャンウェン)氏は、「4月は安倍首相の『地獄の一丁目』だ。1997年に橋本龍太郎内閣が消費税率を3%から5%に引き上げた時と同じような、悲惨な結末を迎える可能性が高い」と指摘した。

当時の消費増税により、日本経済はアジア金融危機の渦に巻き込まれた。橋本内閣もこれに伴い崩壊した。

徐氏は、「安倍政権は消費増税後、企業が増給・消費・投資に取り組み、物価上昇による消費減少の圧力を相殺しなければならないと主張している。しかし日本の各政党と各社は、増給の提案を受け入れていない」と語った。

徐氏は、「日本はこの20年間に渡り、財政支出拡大による景気刺激策を採用しており、これが良い結果をもたらすと考えていた。しかし日本の『国の借金』総額はすでに1000兆円の大台を突破し、対GDP比が250%に達した。毎年の債務の利息支払いだけでも通年の財政支出の3分の2を占めている。円相場がさらに1%上昇すれば、通年の財政収入のすべてが借金返済に用いられることになる。これは日本の財政赤字がさらに拡大することを意味する」と分析した。

アベノミクスの金融緩和、積極的な財政という2本の矢は初歩的に奏功したが、この時期の増税はタイミングが悪い。徐氏は、「円安と株価上昇を特徴とするアベノミクスは、日本経済が4月も低迷を続け、円高が生じ株価が下落すれば、危機に直面するだろう」と語った。(提供/人民網日本語版・翻訳/YF・編集/武藤)

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