住宅価格が軒並み下落、「暴利」をむさぼる不動産業界が「暴落」に直面―中国

Record China    2014年5月7日(水) 19時14分

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7日、中国ではメーデーに伴う連休が過ぎたばかりで、全国不動産市場に「激変」の不安が生じている。資料写真。

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2014年5月7日、中国ではメーデーに伴う連休が過ぎたばかりで、全国不動産市場に「激変」の不安が生じている。中古住宅成約件数から分譲住宅成約件数に至るまで、また北京・上海広州の大都市から杭州成都などの中小都市に至るまで、前年同期比・前月比のすべてに「軒並み減少」の現象が見られる。北京の東三環路の住宅は100万元(約1630万円)以上値を落としたが、依然として買い手はいない。人民網が伝えた。

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全国の不動産市場に暗雲が立ち込めており、万科企業などのデベロッパーも、未来の住宅市場に対して悲観的な態度を示した。住宅購入の最良の時期が到来したのだろうか?住宅市場の転換点が、すでに訪れたのだろうか?

◆全国住宅市場成約件数、最低記録を更新

北京市住宅・都市建設委員会の公式データによると、北京の5月1−3日にかけての中古住宅成約件数は31件と、前年同期比で82%減となり、売買契約が成立した物件のオンライン登録が始まった2009年以降で最低の数値となった。北京の同期の分譲住宅成約件数は169件で、前年同期比78.9%減となった。これは2008年にメーデーの3連休が実施されてからの7年間で最低の数値となった。

深セン市の5月1−3日の分譲住宅成約件数は49件のみで、前年同期の133件というデータと比較すると、6割以上の下げ幅を記録した。上海の同期の分譲住宅成約件数は423件、広州市は405件と前年とほぼ横ばいになったが、これは成約件数を伸ばすための販促によるところが大きかった。

杭州は同期の市街地の成約件数が57件のみとなり、前年同期の212件と比べ、7割以上の下げ幅となった。中原地産研究センターの統計データによると、5月1−3日の54都市の住宅成約件数は9887件となり、前年同期の1万4624件から32.5%減となった。そのうち大都市の下げ幅が最大だった。大都市の3日間の成約件数は、40%減の1046件のみだった。中都市の減少率も、平均で35%に達した。

中原地産のチーフエコノミストの張大偉(ジャン・ダーウェイ)氏は、「減少率の平均値を見ると、大都市は中小都市を上回っていることが分かる。昨年12月以降の市場の動向を見ると、成約件数の減少の流れが強まっている」と指摘した。

◆住宅価格の下落、北京にも波及

成約件数が最低記録を更新すると同時に、常に堅調であった成約価格にも低下が見られた。4月の「100都市住宅価格指数」によると、約半数の都市の住宅価格が前月比で低下し、万科企業などの有名デベロッパーでさえ、今後の住宅市場に悲観的な態度を示した。

◆不動産会社の業績が悪化

先ほど公開されたばかりの第1四半期業績報告書によると、「暴利」をむさぼる業界とされていた不動産業界は「暴落」に直面し、全体的に業績が悪化した。また過半数の企業の純利益が減少しており、これには業界大手の万科企業、招商地産、金地集団などが含まれた。

データによると、第1四半期の純利益が減少したのは、142社の不動産会社のうち過半数の74社に達した。そのうち万科企業の第1四半期の売上は前年同期比32.16%減の94億9700万元(約1550億円)にとどまった。純利益は13年ぶりに前年同期比で減少し、5.23%減の15億3000万元(約250億円)となった。この減少率は、業界全体とほぼ同水準となった。

招商地産の第1四半期業績報告書によると、第1四半期の売上は前年同期比18%増の72億5100万元(約1200億円)に、純利益は6.82%減の7億5500万元(約120億円)になった。金地集団の第1四半期の業績は、より驚きの内容となった。報告書によると、同社の第1四半期の売上は25.91%減の31億5000万元(約510億円)、純利益は73.65%減の4934万3800元(約8億円)に落ち込んだのだ。

◆転換点を論じるのは時期尚早

中国国務院発展研究センター市場経済研究所所長の任興洲(レン・シンジョウ)氏は、住宅市場が転換点を迎えたかという記者の質問に対して、「転換点とはやや誇張の嫌いがある。現在の住宅市場には成約件数・価格が共に減少・下落するという現象が生じているが、これは市場が理性を取り戻しているためだ。住宅価格が永遠に高騰する国などはない」と指摘した。

中国不動産協会副秘書長の何[王奇](ホー・チー)氏は、「住宅市場の転換点を論じるのは時期尚早だ。価格と成約件数が10%以内で変動するのは正常なことだ。全国の住宅市場で20%以上の下落が生じなければ、転換点が訪れたとは言えない。現状を見ると、中小都市の一部のプロジェクトが値下げを実施しているが、これは住宅市場の全体状況を反映するには足らない。住宅市場の発展については、大都市の住宅価格の変化を見なければならない」と分析した。

住宅価格の暴落や成約件数の減少などについて、何氏は次の複数の原因があると指摘した。(1)銀行貸付の引き締めにより、投機目的を除く一部の需要が抑えつけられた。購入者は貸付が得られず購入を断念し、成約件数が減少した。(2)「自住型商品房」(政府が一定の条件を満たす世帯に提供する、周辺の分譲住宅より30%ほど割安な住宅)や住宅購入制限令などの影響により、購入者は住宅価格の下落を見込み、静観ムードが高まった。デベロッパーは経済情勢の影響を受け、資金を回収するため、販促により成約件数を伸ばし、在庫を消化している。これが循環し、成約件数が最低記録を更新し、デベロッパーが値下げをするという状況になっている。

何氏は、「住宅市場は双方向に調整する過渡期を迎えており、ゆえに住宅価格に変動が生じるのは正常な現象である」と指摘した。住宅市場の真の方向が見えるのはいつかという質問に対して、何氏は「少なくとも3カ月、つまり今年8月にならなければ、住宅市場の動向を最終的に確定することはできない」と予想した。(提供/人民網日本語版・翻訳/YF・編集/武藤)

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