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国民の怒りから生まれる韓国の「ネーミング法案」、中身は問題だらけ?=ネットにも賛否両論

配信日時:2021年1月8日(金) 9時0分
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6日、韓国・ソウル新聞によると、16カ月の女児ジョンインちゃんが養父母からの虐待により死亡した事件に対する国民の怒りが高まっていることを受け、政界で続々と「ジョンイン法」が発議されている。写真は韓国。

2021年1月6日、韓国・ソウル新聞によると、16カ月の女児ジョンインちゃんが養父母からの虐待により死亡した事件に対する国民の怒りが高まっていることを受け、政界では続々と「ジョンイン法」が発議されている。しかし、その多くが事件の原因に対する分析や制度の補完について言及せず「処罰強化」のみを強調する内容となっており、「感情的な過剰立法になる」と懸念する声が出ているという。

記事によると、与党「共に民主党」のノ・ウンレ最高委員は5日、「児童虐待犯罪処罰特例法を改正し、児童虐待致死に対する処罰を現行の5年以上から10年以上に強化する」との考えを示した。野党「国民の力」のヤン・グムヒ議員は、児童虐待の再犯の場合に加重処罰を適用する法案を発議した。国会法制司法委員会の与党幹事ペク・ヘリョン議員は「児童虐待法は大きく3つあり、ここに40程度の関連法案が提出されている」と明らかにしたという。

チョン・セギュン首相も「加害者を厳しく処罰するため量刑基準の引き上げを裁判所に要請し、養子縁組の手続き全般にわたって公的責任を一層強化する案を検討する必要がある」として処罰強化に前向きな姿勢を示したという。

このように韓国では、社会に衝撃を与えた事件が起きた後に政界が追悼の意を込めて犠牲者の名前をつけた「ネーミング法案」を続々と発議することは珍しくない。過去に国会は、スクールゾーンの横断歩道で車にはねられ死亡した男児の名前をつけた「ミンシク法」、通学バスの車両事故で死亡した男児2人の名前をつけた「テホ・ユチャン法」、医療事故により死亡した歌手の名前をつけた「シン・ヘチョル法」などを通過させた。

しかし記事は「こうした方式の立法は国民の怒りに応えて処罰強化だけに焦点が当てられていること、世論の圧力により短期間で立法が実現し、制度の盲点や実効性のある対策について十分な議論が行われないことが問題だ」と指摘している。実際に、スクールゾーンでの交通事項に対する処罰を強化したミンシク法が施行された後、政界では処罰水準の適切性をめぐり論争が起きたという。

さらに、法案が「広報用」に利用され、世論が落ち着くと後回しになるケースも多いという。代表的なのは、養育義務を放棄した親が相続できないよう定めた「ク・ハラ法(民法改正案)」。故ク・ハラさんの複雑な家庭環境が報じられたことでこの法案は大きな関心を集めたが、第20代国会の任期満了と共に破棄されている。

児童虐待致死の再発を防止する今回の「ジョンイン法」にも「処罰強化よりも実質的な対策づくりに力を入れるべきだ」との指摘が出ている。ある専門家は「既存の法案をしっかり執行するだけでも児童虐待の相当部分を根絶できる」とし、「量刑を引き上げる形で法案を改正するのはポピュリズムに過ぎず、問題の根本的な解決にはならない」と指摘しているという。

これを見た韓国のネットユーザーからも「人が死ぬたびに法律をつくる気か?法律がないから人が死んだとでも?」「政治家はこういうときだけ国民を意識する。国民が利用されているようで本当に嫌だ」「なぜ事故が起きる前に改正できないのか」など批判的な声が上がっている。

一方で「感情的な過剰立法だって?韓国の法律は処罰が甘すぎると感じないのか?」「とはいえ黙ってはいられない」「ミンシク法くらいジョンイン事件に対する法律も強化してほしい。意図的な殺人は罪が軽い(ミンシク法に比べて)のに、突然の車両事故により子どもが犠牲になる事故が殺人罪と同じくらい加重処罰されるなんておかしい」「子どもに関する犯罪は無期懲役にしてほしい。出生率も世界最低なのになぜこんなにも無関心なのか。親が暮らしやすい国を作ってほしい」など処罰の強化を求める声も数多く見られた。(翻訳・編集/堂本

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