Record China

ヘッドライン:

<コラム・莫邦富の情報潮干狩り>米中軍事対峙に隠された衝突の火種

配信日時:2020年12月28日(月) 10時0分
拡大
米国大統領の交代まですでに1カ月を割った。アメリカの憲法は、1月20日正午に新たな大統領の任期が始まると定めている。写真は南シナ海。

米国大統領の交代まですでに1カ月を割った。アメリカの憲法は、1月20日正午に新たな大統領の任期が始まると定めている。 しかし、それまで敗北という選挙結果を受け止めようとしている現大統領のトランプ氏があと何を仕出かすかはまだ読み切れない。

■「第二のトンキン湾事件」を懸念

4カ月前に、私がダイヤモンド・オンラインに書いたコラム「米中対立激化、台湾海峡で『第二のトンキン湾事件』勃発を心配する理由」には、すでにその心配を書いた。

「今年(2020年)は米大統領選の年である。人気が低迷するトランプ米大統領が中国との局地的軍事衝突を起こして、米国国内の支持率を高めようと計算している可能性がある、と指摘する声も大きくなっている。米中間に、計算された『擦槍走火』が起きる危険性があると指摘する識者が相当数いるのだ。その中で特に、朱建栄・東洋学園大学教授が発した警告には耳を傾けるべきだと思う」

ここに言う「擦槍走火」とは、本来の意味においては、銃器を拭う時に不注意で銃が暴発してしまうことを言うが、ここでは、本意による軍事衝突ではないが、ちょっとしたすれ違いで深刻な軍事衝突になってしまうことを意味する。

台湾海峡または南シナ海における米中間の偶発的な軍事衝突はこの「擦槍走火」の類に入るだろうと思う。

朱教授は、米大統領選が終わるまでの数十日の間に、米国が「非常手段」を講じるかもしれないと指摘している。「非常手段」とは、57年前に起きた「北部湾事件」が連想できるという。北部湾事件は日本では「トンキン湾事件」と呼ばれる。

同じく米大統領選の年である1964年の8月に、誰もが予想していなかった、世界を驚かせたトンキン湾事件が発生した。米海軍駆逐艦「マドックス号」(USS Maddox、DD-731)が北ベトナムの魚雷艇に攻撃されたと米国が主張。その数日後に、米国は大量の軍機を出動させて北ベトナムを爆撃。こうして米国がベトナムとの全面戦争に突入した。このトンキン湾事件がもたらした最も重要な結果は、ジョンソン氏が同年11月に行われた米大統領選で圧倒的多数の票を集め勝利したということだった。

4年後、このトンキン湾事件がでっち上げだったと判明しても、戦争が発生し、多くの命もその戦争によって亡くなってしまったということはもう変えられない。

【アジア食品のネットサイトがオープン】
中華圏、韓国などのアジア食材が手軽に入手できます!
サイトはこちら

【コラムニスト募集】
中国や韓国の専門知識を生かしませんか?レコードチャイナではコラムニストを募集しています。どしどしご応募ください!応募はこちら

関連記事

ランキング