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対馬の盗難仏像引き渡し訴訟二審に被害者の寺参加、韓国政府が促す、一審は「略奪」と判断

配信日時:2020年12月26日(土) 8時20分
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長崎県対馬市の寺から盗まれ、韓国に持ち込まれた仏像をめぐる訴訟の控訴審に被害者の寺が参加する。一審は「日本に略奪された」と判断。参加は韓国政府が促したという。

長崎県対馬市の寺から盗まれ、韓国に持ち込まれた仏像の引き渡しをめぐる訴訟の控訴審に被害者の寺が参加する。一審は「仏像は日本に略奪された」との判断を下し、韓国の寺側が勝訴。対馬の寺には韓国政府から参加を促す文書が届いたといい、法廷で返還を直接要求する方針だ。

訴訟の対象になっているのは、2012年に長崎県対馬市の観音寺から盗まれた仏像「観世音菩薩坐像」(同県指定有形文化財)。韓国人の窃盗団が韓国に持ち込んだ。翌年、韓国の警察が窃盗団7人を逮捕して仏像を回収。7人のうち6人には懲役1~4年の実刑判決が下された。

仏像は当然、観音寺に返還されるはずだったが、韓国・忠清南道瑞山市の浮石寺が「数百年前、倭寇(わこう)によって略奪された」などと主張し、韓国政府に引き渡しを求めて提訴。一審の大田地裁は17年1月、仏像の中から見つかった記録などを根拠に「浮石寺の所有と十分に推定できる」として、同寺側の主張を認め、韓国政府に引き渡しを命じた。その後、韓国政府が控訴し、今年4月末、大田高裁で控訴審の弁論が始まった。

ハンギョレ新聞は朝日新聞の記事を引用して「対馬の観音寺は18日夜に記者会見を開き、韓国政府から裁判への参加を促す文書が届いたとし、裁判に直接参加して所有権を主張して返還を要求する方針を明らかにした」と報道。「一審には参加していない観音寺が二審には積極的な意思を示したのだ」と伝えた。

これまでの訴訟で仏像の本来の主人であると主張する浮石寺は「交流などの正常な方法で仏像を日本に贈ったものなら、仏像の中にある腹蔵物を空にして贈っているはず。仏像の中から腹蔵物がそのまま発見されたということは、仏像が略奪されたことを示す重要な証拠」などと強調。浮石寺の信徒と瑞山市の住民は「観世音菩薩坐像を元の場所に奉安する委員会」を立ち上げ、仏像返還運動を始めている。

これに対し、対馬にある朝鮮半島仏像の研究の専門家とされる故チョン・ヨンホ韓国教員大学名誉教授は17年、ハンギョレ新聞への寄稿で「仏像が略奪品だとしても、それをまた別の略奪というやり方で返してもらうことは正当化できない」と述べ、「日本が浮石寺から略奪して行ったという直接的な証拠もない」と指摘。「これまでの文化財返還の努力が水泡に帰す恐れがある」として、観音寺に返すべきだと訴えた。

観世音菩薩坐像の引き渡しは旧日本軍の従軍慰安婦問題や元徴用工訴訟など同様に日韓の間に突き刺さるとげの一つになっているが、韓国文化財庁は「国際法に基づき、盗んだ文化財は返すべきだ」との立場だ。像は現在、大田儒城区の国立文化財研究所の遺物収蔵庫に保管されている。(編集/日向)

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