「ジャパン・アズ・ナンバーワン」出版後の20年に何が起きたのか―中国メディア

Record China    2020年12月23日(水) 12時20分

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21日、北京日報は、1979年に「ジャパン・アズ・ナンバーワン」を出版したエズラ・ボーゲルさんの死去に際し、同書に関連するコラム記事を掲載した。

2020年12月21日、北京日報は、1979年に「ジャパン・アズ・ナンバーワン」を出版したエズラ・ボーゲルさんの死去に際し、同書に関連するコラム記事を掲載した。以下はその概要。

ボーゲルさんは米国時間20日にマサチューセッツ州ケンブリッジの病院で死去した。90歳だった。東アジアの研究に従事していたボーゲルさんは1979年に「ジャパン・アズ・ナンバーワン」を出版し、日本や米国のみならず、世界で大きな反響を引き起こし、西側経済界の必読書となった。その内容は80年代の日本経済の盛り上がりを見事に予測したが、90年代以降はバブル崩壊、金融危機、経済の衰退と、予測が外れる結果となった。

この点について、ボーゲルさんは2000年に出版した「日本はまだナンバーワンか」という書籍の中で「ジャパン・アズ・ナンバーワンというのは、日本が米国を超越して世界一の経済大国になることではなく、日本人がさまざまな分野で能力を発揮し、世界一の成果を得ることを指している。例えば基礎教育レベルの高さ、犯罪率の低さ、企業が持つ忠誠度の高さ、有能な人材を取り入れる官僚機構、品質が保証された工業製造などで、それは現在に至るまで大きく変化していない」と説明している。

また、90年代の停滞を生んだ大きな理由は「世界の変化に日本がついていけなかった」ことだとし、発展の安定期に入ると同時に新しいグローバル化の波が訪れる中で軌道を修正し、柔軟に対応していくことが、日本にはできていなかったとの見解を示した。その事例として、大学の官僚化、学歴重視の就職により学生の創造力が不足し、国際社会に対応できる人材が育たなかったこと、そして工業、商業、文化産業のいずれにおいても「第一に自国市場を考え、積極的にグローバル市場に融合しようとしなかった」ことを挙げた。

だたその一方で、ボーゲル氏は「日本はナンバーワンではないが、多くの外国人が思っているよりもまだまだ強く、危機や衰退には陥っていない」と指摘し、バブルが崩壊しても社会が崩壊することはなく、今なお秩序正しく運営されているほか、経済的にも20年近く世界2位の座を守り続け、2010年になってようやく中国に抜かれたことをその根拠として示している。(翻訳・編集/川尻

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