同音ネタはなぜ面白い?―中国メディア

人民網日本語版    2020年12月23日(水) 11時50分

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面白いネタで盛り上がるのは楽しい。誰かが同じ発音の言葉を使ったネタを繰り出して、それがみんなにウケれば、そこにはそのネタを共有しているという「仲間内」感が生まれ、ステータス感や帰属感が満たされる。

面白いネタで盛り上がるのは楽しいものだ。誰かが同じ発音の言葉を使ったネタを繰り出して、それがみんなにウケれば、そこにはそのネタを共有しているという「仲間内」感が生まれ、ステータス感や帰属感が満たされる。中国青年網が伝えた。

今年流行したネットのホットワードには、同じ発音の言葉を使ったものが多かった。ある動画主が使ったことでホットワードになった「集美(ジーメイ)」は、もともとは単に「姉妹」を表す「姐妹(ジエメイ)」がなまっていたにすぎない。それが今では、ネットを利用する若い女性たちのほとんどに広まっている。

■同音ネタはなぜ病みつきになるのだろうか?

実際のところ、これまでを振り返ってみると、さまざまなお笑い番組が人気になる前は、普段の生活の中でも、発音が同じなのに意味が違う言葉があるために生じる笑い話がよくあった。例えば、先生が「韓愈は偉大な文学家だ。20代ですでに進士になった」と言うのを聞いた学生が、「進士(ジンシー)」を同じ発音の「近視(ジンシ―)」とかけて、「別にすごくないですよ。私は10代で近視になりました」と切り返すといった具合だ。

心理学における不調和理論(incongruity theory、「不一致理論」とも呼ばれる)によると、このような本来想定していた内容と実際の情報とのぶつかり合いで生じる不調和はユーモアが生まれる源だという。このような状況では、聞き手は思いがけないものでありながらも道理にかなった「ふまじめな」内容を耳にして、もともと想定していたまじめさや緊張感が一気に緩み、こうしたリラックス感によって楽しさを感じる。つまり、同音ネタが面白いのは、同じ音なのに意味が違うという思いがけなさによるものなのだ。

以前に同音ネタが人気になったのは、それを使うとコミュニケーション効率が高くなるからだった。10年前、多くの人がチャットの最後に「拜拜嘍(バイバイロウ、「じゃあねバイバイ」という意味)」と発音が近い「886(バーバーリウ)」という数字を使っていた。こうした同音異義語は、フランスの著名な言語機能学者アンドレ・マルティネが提起した経済性の原理のように実用的だ。対話をする中で、人々は最もスピーディーな手段でベストの効果を得ようとする。つまり、最も少ない手間で効果的にコミュニケーションをしようとするものだ。特にキーボードを打つ際には、このような同音異義語を使えば入力する文字が減り、入力時間が短くなり、言語による表現効率を高めることができる。

一方、現在広く流行している同音ネタの多くは、コミュニケーションにおいて「ポライトネス(丁寧さ、礼儀正しさ)」を出せることがその流行の原因になっている。礼儀的に言って、私たちは多くの場合、実際のところ経済性の原理だけを守るわけにもいかないし、思っていることをストレートに言うわけにもいかない。礼儀正しく、婉曲に、敬語をたくさん使う必要がある。これが英国の言語機能学者ジェフリー・リーチの言う「ポライトネス」の原理だ。例えば、あまり親しくない女性を「姐妹」と呼んだら、なれなれしくて失礼だと思われる可能性があるが、「集美」なら、親しみやすさを表現しつつも一定の距離感は保たれており、とてもわきまえている感じがする。

そして何よりも面白いネタで盛り上がるのは本来楽しいものだ。誰かが同音ネタを繰り出して、それがみんなにウケれば、そこにはそのネタを共有しているという「仲間内」感が生まれ、ステータス感や帰属感が満たされる。その場にいた人の中に初めてそのネタを聞く人がいたとしても、すぐにその意味が分かる。そしてその同音ネタをほかの友人にも伝え、「仲間内」の友人を増やしていける。このようにして同音ネタはたちまち広がり、ホットワードになり頻繁に使われるようになっていく。(提供/人民網日本語版・編集/AK)

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