英海軍、来年初めにも空母打撃軍を日本など西太平洋に派遣し長期滞在、中国の反発必至

Record China    2020年12月12日(土) 12時20分

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英海軍が空母打撃群を西太平洋に向けて来年初めにも派遣し、長期滞在させるとロイター通信などが報じた。中国の反発は必至だ。

英海軍が最新鋭空母「クイーン・エリザベス」を中核とする空母打撃群を沖縄県などの南西諸島周辺を含む西太平洋に向けて来年初めにも派遣し、長期滞在させるとロイター通信などが報じた。香港問題などをめぐる英政府の強い懸念が背景にあるが、中国の反発は必至だ。

2017年就役のクイーン・エリザベスは全長約280メートル、排水量約6万5000トンと英海軍最大級の艦船。操艦要員は700人で、航空要員を加えると乗員は1600人に達する。展開時には垂直離発着型の最新鋭ステルス戦闘機F-35Bを2個飛行隊搭載し、45型駆逐艦なども随伴する。

昨年2月、英国のウィリアムソン国防相(当時)はクイーン・エリザベスの太平洋派遣を表明。英政府は日本など関係国と協議を進めていた。今年7月には英紙タイムズが軍高官らの話として「クイーン・エリザベスを中心とする空母打撃群が来年初めに極東に派遣され、周辺海域に当面の間とどまる計画が進められている」と伝えた。海洋でのプレゼンスを強化する中国に対抗する狙いで、日本や米国との合同演習も想定しているという。17年12月には小野寺五典防衛相(当時)が同空母を視察。海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦「いずも」との共同訓練を提案した。

ロイター通信は共同通信の記事を引用し、複数の日本政府関係者の話として派遣計画を報道。「日本は世界有数の海軍力がある英国と連携を深め、海洋進出を強める中国に対抗し秩序維持の姿勢を打ち出す狙いだ。西太平洋で日本と同盟関係にある米軍や周辺国以外の空母が継続的に活動するのは極めて異例」などと言及した。背景には中国の南シナ海での領有権主張に加え、香港の「一国二制度」が風前のともしびになっていることに対する英政府の強い懸念がある。

関係者によると、クイーン・エリザベスや打撃群の艦艇、航空機は自衛隊や米軍と合同演習を実施する見通し。F-35は米ロッキード・マーチン製で、三菱重工の愛知県・小牧南工場はアジア太平洋地域のF-35の整備拠点となっている。数年に1度の定期点検など本格的なメンテナンスが可能で、英軍機の受け入れが可能か調整を進めている。空母をはじめとする艦隊が日本周辺に到着する時期は未定という。

クイーン・エリザベスの派遣が実現すれば、就役後初の本格航海となる。英軍は朝鮮戦争(1950~53年)の国連決議に基づき定められた国連軍地位協定により、横須賀(神奈川)、佐世保(長崎)、ホワイトビーチ(沖縄)などの在日米軍施設・区域で補給を受けられる。(編集/日向)

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