ソニーが「無邪気な発想」でテレビ事業の主流から外れていく―中国メディア

Record China    2014年4月1日(火) 1時40分

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31日、ソニー中国法人はこのほど、2014年のテレビ新製品を対外的に発表した。それには4Kテレビ3シリーズと機種とフルハイビジョンテレビ6シリーズが含まれている。写真は浙江省杭州市のソニー店舗。

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2014年3月31日、ソニー中国法人はこのほど、2014年のテレビ新製品を対外的に発表した。それには4Kテレビ3シリーズと機種とフルハイビジョンテレビ6シリーズが含まれており、他の主流テレビメーカーがスマートテレビや勢いに乗る有機ELテレビを推すのに比べ、今回発表された新製品はテレビ産業の「主流」ではないといえる。中国網が伝えた。

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テレビ事業の不振が続くソニーにとって、4Kテレビが成功するかどうかが命運を分けるということが、最近では大きな話題になっている。

▼4Kテレビはソニーを救うか?

近頃では、海信、創維、TCLを代表とするテレビメーカーが相次いでスマートテレビをうち出し、インターネットの動画会社やゲーム会社が次々に協力事業を発表し、スマートテレビのコンテンツ分野の発展が続いている。LGサムスンを代表とする企業は有機ELテレビの分野に熱心に取り組み、「入口を争い」、「シェアを争い」、「チャンスを争う」といった話題が絶えず聞こえてくる。「スマート」と「未来のディスプレー」が、テレビメーカーの進む主流の方向だ。

ソニーが一年で最も重要な新製品の発表で「主流」に乗れなかったことが、業界内で波紋を呼んでいる。ある評論家によると、今のソニーは端末の販売台数の縮小を気にかけず、引き続きハイエンド4Kテレビの発売を続けるという手段を取り、袋小路に向かっているという。

また、この評論家によると、現在、中国で主流のテレビ信号はハイビジョンで、4Kテレビを購入してもスーパーハイビジョンを見ることはできない。この点が日本や北米などの先進国と中国とで大いに異なるところだ。ソニーが4Kテレビを強力に推し進めることでシステムを塗り替えようとしているのは、あまりにも無邪気な発想だという。

▼ソニーの「スマート」はなぜ負けた?

ソニーはスマートテレビに手を出さないのだろうか。もちろんそんなことはない。最近のPC事業の売却、これに続くテレビ業務の分社と子会社化は、マルチメディア電子製品の長年に及ぶ停滞を受けてのことであり、ソニーはスマートテレビをめぐるゲームの重要な潜在的プレイヤーになる。

あるデータによると、中国には3億5000万の世帯があり、1世帯あたり平均1台以上のテレビを所有するが、現時点でのスマートテレビ普及率は20%に満たない。買い換えの予定がある世帯は、スマートテレビの大きな「パイ」で、関連の報告書によれば、今年のスマートテレビ普及率は70%を超えることが予想される。テレビ全体の出荷台数を5000万台とすると、スマートテレビは3500万台が出荷される見込みだ。だがスマートテレビ市場は海外のメーカーがほぼ欠席で、国内の大手メーカー、ネット企業、家内工業的メーカーがシェアのほとんどを占めており、海外ブランドのスマートテレビが占めるシェアは20%にも満たない。

▼ソニーはなぜスマートテレビに消極的?

ソニーの敗北の第一の原因はコンテンツで、その内容はおよそ3つに分けることができる。一つ目は番組コンテンツで、中国では資格をもった7大放送プラットフォームとの協力が欠かせない。二つ目はネット動画コンテンツで、楽視、愛奇芸、PPTV、優酷土豆といったサイトにおけるコンテンツだ。三つ目は利用者自身のコンテンツだ。たとえば携帯電話、タブレットPC、デジタルビデオカメラ、SDカード、USBフラッシュメモリ、ハードウエアなどのコンテンツだ。ソニーのスマートテレビはこうしたコンテンツをめぐる競争で負けた。放送プラットフォームであれ、ネットのサイトであれ、協力が進められた形跡がほとんど見られないのだ。

第二の原因はアプリケーションだ。スマートテレビには付属のアプリケーションが必要だ。スマートテレビはリビングのコンピューターではないし、携帯電話の影武者でもなく、あらゆるコンテンツがその画面にふさわしいわけではない。スマートテレビにはリビングでの利用や家族の共用にふさわしいアプリケーションが欠けているが、成熟にはかなりの時間がかかるとみられる。今はディスプレーを大きくすることが主流で、「アダプター」の役割を果たすのがせいぜいだ。リビングにふさわしい設計開発は行われていない。

第三の原因は価格だ。ソニーの製品は一貫して定価が高い。その一方で国内企業はハイエンドからローエンドまで各レベルの市場を網羅し、価格操作性が高く、全体として海外メーカーは国内メーカーに価格の点で対抗できない。

ソニーはスマートテレビに携わりたくないわけではないが、コンテンツで負け、アプリケーションで後れを取り、価格で優位に立てずにいる。中国スマートテレビ市場では初めから不利な立場に立っているといえる。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)

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