<コラム>中国環境保護産業の市場現状と区域競争構造

内藤 康行    2021年2月5日(金) 10時20分

拡大

中国の環境保護産業企業の中で水質汚染防止整備と環境モニタリング分野の企業数が多く、水質汚染防止整備、固体廃棄物処分と資源化及び大気汚染帽子整備が営業利益の最も高い割合を占める。写真はヤルンツァンポ川。

中国の環境保護産業企業の中で、水質汚染防止整備と環境モニタリング分野の企業数が多く、水質汚染防止整備、固体廃棄物処分と資源化及び大気汚染帽子整備の3分野が営業利益の最も高い割合を占め、3分野の企業総営業収入の和は88.4%を占める。

環境保護企業は水質汚染防止整備と環境モニタリング分野に分布している。

中国環境保護協会は、国家環境保護産業の主要企業(1万1229社)を対象に調査を実施している。調査データによれば、水質汚染防止整備と環境モニタリング分野の企業数は最も多く、水汚染防止整備と固形廃棄物処理と資源化分野の企業収入、営業利益の割合が高くなっている。産業の企業の利益率は比較的高い。水汚染防止整備と固形廃棄物処理と資源化分野の企業利益率は相対的に高くなっている。


企業数で見ると、統計に記載されている1万1229社は、環境モニタリング、水質汚染防止整備、固体廃棄物処理と資源化、大気汚染防止整備の4つの主要分野に集中分布している。この分野にある企業数の割合は91.7%以上を占めている。


営業利益は、水質汚染防止整備、固形廃棄物処理と資源化、大気汚染防止整備の3分野の企業の営業利益が最も多く、3分野の営業利益の和は88.4%を占める。


営業利益では、水質汚染防止整備、固体廃棄物処理と資源化利用の2分野の企業の営業利益がトップで、この2分野の企業の合計営業利益の和は82.7%を占める。


環境保護企業の集中地域分布

中国の環境保護産業企業と営業利益分布では、南部16省の企業数と総営業利益は、北部15省をはるかに上回っている。省と市の分布で見ると、統計に含まれる1万1229の環境保護企業会は、中国本土の31省、直轄市、自治区、および地方政府をカバーしている。

その中で、広東省、山東省、浙江省、江蘇省などの省で企業数が多く、北京市、広東省、浙江省、河蘇省、江蘇5省(市)の企業の営業利益は1000億元(約1兆6000億円)を超える。5省(市)の企業営業収益の和が全国占める割合の67.5%を超え、ランキングの最下位にある15の省(市、区)の総営業収入はわずか5.8%だった。

南北分布では、35.4%の企業は北部の15省にあり、営業利益の合計は全企業の営業利益の29.0%を占めている。64.6%の企業は南部16省にあり、営業利益の合計は全企業の営業利益の71.0%を占めている。


■筆者プロフィール:内藤 康行

1950年生まれ。横浜在住。中学生時代、図書館で「西遊記」を読後、中国に興味を持ち、台湾で中国語を学ぶ。以来40年近く中国との関わりを持ち現在に至る。中国の環境全般と環境(水、大気、土壌)に関わるビジネスを専門とするコンサルタント、中国環境事情リサーチャーとして情報を発信している。著書に「中国水ビジネス市場における水ビジネスメジャーの現状」(用水と廃水2016・9)、「中国水ビジネス産業の現状と今後の方向性」(用水と廃水2016・3)、「中国の農村汚染の現状と対策」(CWR定期レポ)など。

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携