中国・王毅外相、日本で「一衣帯水」、韓国では「守望相助」、両国との距離感象徴?

Record China    2020年12月5日(土) 10時20分

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日韓両国を相次いで訪問した中国の王毅外相は日本で「一衣帯水」を使い、韓国では「守望相助」に言及した。二つの故事成語は中国と日韓の距離感を象徴しているかにも見える。韓国外交部フェイスブックより。

11月末に日本と韓国を相次いで訪問した中国の王毅外相は日本で適切な協力が必要な隣国を意味する「一衣帯水」を使い、韓国では見張り番を務めながら、助け合う戦略的パートナーとされる「守望相助」に言及した。二つの故事成語は中国と日韓の距離感を象徴しているかにも見える。

「一衣帯水」は中国の南北朝時代を統一した隋の文帝が南朝の陳に対して「帯ほどの狭い小川」(揚子江)を間に置いた隣国だとし、平和共存を訴えて使った言葉だ。「守望相助」は孟子滕文公上篇に登場する故事で、隣村同士、外敵の侵入に対抗して共に守り互いに見張りをしながら助けるという趣旨だ。

韓国・中央日報は「二つの言葉はいずれも近い隣国を意味するが、『守望相助』がより積極的な協力を強調する。米国バイデン政権発足を控えて予想される米中葛藤の中で韓国の助けを要請したとも解釈することができる」と報道。王外相は11月26日午前、康京和外相との会談の冒頭発言で「新型コロナウイルス感染症事態のとき、中韓両国国民は守望相助の精神によって互いに助け合った。中韓両国は戦略的協力パートナーと話した」と続けた。

同紙によると、亜洲大学米中政策研究所のキム・フンギュ所長は「日本との関係を称した『一衣帯水』は非常に中立的な表現」と指摘。「それに比べて韓国との関係を『守望相助』と表現したことは、現在中国が韓国の助けを切実に必要としているという意味」と分析した。成均館大学中国研究所の李熙玉所長は「過去、韓中関係に一衣帯水を使ったこともある」としながらも、「大きく見れば国際情勢の変化に共に対処しようという意味で、米中関係の変化の中で韓中協力の重要性を力説した」と話した。

ハンギョレ新聞も同様の見立てで「今回の歴訪は米国の主要同盟国である韓国と日本に対する中国の“戦略的観点の相違”をそのまま表したという点で注目される」とした。「米国第一を掲げ同盟を軽視したトランプ政権と違い、バイデン政権は放置されてきた韓米日『三角同盟』を再整備し、中国への圧力を強めていくものとみられる。このような敏感な時期に、王外相は米国にあまり傾くことなく、中国と『国際社会の公平と正義を守ろう』と呼び掛けたわけだ」と解説した。

「一衣帯水」の日本に関しては「冷ややかな雰囲気の中で終わった。王外相は茂木敏充外相との会談で中日関係を『長期的協力パートナー』とし、『適切な戦略的コミュニケーション』が必要であると述べるにとどまった」と説明。「冷ややかな雰囲気を悪化させたのは、尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐる厳しい攻防だった」と報じた。(編集/日向)

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