中国の水力発電プロジェクト、インドの強烈な反発招く?―米華字メディア

Record China    2020年12月1日(火) 9時20分

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米華字メディアの多維新聞は29日、「数年後に始動する可能性のある中国の水力発電所建設プロジェクトにインドが強烈に反発することが予想される」と報じた。写真はインド国旗。

米華字メディアの多維新聞は29日、「数年後に始動する可能性のある中国の水力発電所建設プロジェクトにインドが強烈に反発することが予想される」と報じた。

記事によると、中国電力建設集団有限公司の晏志勇(イエン・ジーヨン)董事長は26日、中国共産党が第14次5カ年計画と2035年までの長期目標の中で示したヤルンツァンポ川(ブラマプトラ川)下流の水力発電開発実施計画について、「これは『実施』であり、それ以外ではない」と強調。チベット自治区に源がある同河川は中国の他、インド、バングラデシュを流域としており、記事は「中国政府が数年後にこの重大プロジェクトを始動させる可能性がある」とした上で、晏氏が「これは1件の水力発電所建設工事にとどまらず、『5大工事』であるはずだ」と紹介したことを伝えた。

晏氏が指したのは「二酸化炭素排出実質ゼロに向けて巨大な役割を果たす」「水資源や国土など国家の安全に関わる」「発電所稼働後にチベット自治区に200億元(約3150億円)以上の財政収入をもたらす」「クリーンで再生可能な電力の供給」「発電所開発、送電線や道路の開通に伴う南アジアとの協力のいっそうの円滑化」の5点で、記事はこの水力発電所の規模の大きさを説明するとともに、「南アジアにとって重要な水源であるこの川での水力発電開発はかねてより敏感な問題だった」と指摘。「十数年前、中国がダムを建設し、『南水北調』(南部・長江流域の水資源を北部に送る巨大運河プロジェクト)の重要工事としてその水を中国の干ばつ地域に送ると騒がれた。インドのシン首相(当時)は2008年の訪中の際、中国の指導者にこの問題を提起したと言われている。当時、中国の専門家は水を送る可能性を否定しただけだった」とし、消息筋の話として「今回、水利工事を将来の実施計画に含めたことはインドの懸念、ひいては抗議を引き起こすだろう」と指摘した。

記事によると、インドのある教授は先日、各国にヤルンツァンポ川での水利建設をやめるよう呼び掛ける文章を発表した。文章は「ダムを建設すると下流での土砂沈殿が減り、農地の肥沃度が低下する」とした他、生物多様性の破壊や、ダムが中国とインドの地政学的駆け引きの中で役割を果たす可能性にも言及したという。(翻訳・編集/野谷

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