新型コロナのワクチン市場は「潜在的な金鉱」―中国メディア

Record China    2020年11月27日(金) 9時20分

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25日、環球時報は「研究開発能力のより強い国が新型コロナのワクチン市場で利益を得るだろう」とする記事を公開した。

2020年11月25日、中国メディアの環球時報は、世界各国で新型コロナウイルスワクチン開発が進展するにつれて、「研究開発能力のより強い国が700億ドル(約7兆3080億円)の市場で利益を得るだろう」とする記事を公開した。

記事が引用した米国の技術ニュースの専門ウェブサイト「ビジネスインサイダー」によると、「今年末までに50種類以上のワクチン候補が「第3相臨床試験(Phase3)」に入っている」という。現在までに、米国のファイザーとモデルナ、英国のアストラゼネカ社とオックスフォード大学の共同開発チーム、ロシアのガマレア研究所などが、それぞれ有効率90%以上のワクチン開発を進めているほか、世界保健機関(WHO)が研究を支援するワクチンが全部で193種類あるという。

ワクチン開発の進展とともにワクチン接種の計画を公開する国も現れており、トランプ政権下でワクチンの早期実用化を進める「ワープ・スピード作戦」の責任者である米食品医薬品局(FDA)のモンセフ・スラウイ氏は、米メディアCNNの番組「ステート・オブ・ザ・ユニオン」で「12月11日か12日に予防接種を開始し、来年5月ごろに全米で70%前後の予防接種率を目指す計画だ」と語った。またスペインのサンチェス首相も22日、主要20カ国・地域(G20)のビデオ首脳会議後の記者会見で「来年1月にワクチン接種プログラムを開始する」と公表したという。

英BBCの報道によると、英国のアストラゼネカは世界各地に向けて30億回分のワクチン生産を準備しており、今年末までに2億回分を生産するという。また、米国のモデルナが2000万回分、米国のファイザーが2021年4~6月までに7億回分のワクチンを準備するとも報じている。AP通信は「これらのワクチンの半分以上を、米国や英国、日本など世界の総人口の13%を占める富裕国がすでに確保している」と伝えた。

どの国がどのワクチンを採用するかについても、欧米諸国とロシア、中国ではっきり分かれているほか、「価格競争」も起こっているという。アストラゼネカとオックスフォード大学のワクチンは1回分を3ポンド(約420円)に設定しており、モデルナの25ポンド(約3480円)、ファイザーの15ポンド(約2090円)と比べて安価で、普通の冷蔵庫(摂氏2~8度)で保管できる利点もあり、幅広く世界に普及することを期待されているという。一方でロシアのガマレア研究所が開発した「スプートニクV」も10ドル(約1040円)以下に値段が設定されており、ワクチンの輸出実績がある旧ソ連の国々などに輸出することで、毎年約1000億ドル(約104億5000万円)の営業額が見込める「潜在的な金鉱」として、石油産業を超える収入を期待されているそうだ。

記事が引用した米ブルームバーグによると、10月1日以降、アジアの9つの株式市場に合計で約480億ドル(約5兆200億円)が流入している。これは2013年以来の高水準で、ワクチン開発で進展が相次いだことや、米大統領選での民主党バイデン氏の勝利などの出来事に影響を受けたものだという。しかし、米CNBCの報道によると、UBSのアクセル・ウェーバー会長は「ワクチンが完成しても、経済がコロナ危機前のレベルに戻るには少なくとも1、2年はかかるだろう」と警告した。

記事は最後に、「世界の総人口の半分に接種が1回10~20ドル(約1040~2080円)のワクチンを2回接種するとして計算したら、新型コロナのワクチンが350億から700億ドル(約3兆6540億~7兆3080億円)の規模の市場を生むことになる。米国、英国、ロシア、中国などの中で、研究開発能力がより強い国がワクチン市場から利益を得るだろう」という専門家の意見を紹介した。(翻訳・編集/原邦之

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