<羅針盤>21年パラリンピック成功を祈念!中村医師と立石一真を想う―立石信雄オムロン元会長

立石信雄    2020年11月22日(日) 7時30分

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2021年夏に延期された東京オリンピック・パラリンピックまで9カ月を切った。新型コロナ収束の兆しが見えず、来年の開催も確定していないが、「パラリンピック」の成功を心から祈念したい。写真はエンブレム。

2021年夏に延期された東京オリンピック・パラリンピックまで9カ月を切った。新型コロナ感染は世界中で収束の兆しが見えず、来年の開催も確定したわけではない。筆者が開催を心から願うのは、父・立石一真(オムロン創業者)が心血を注いで支援した「パラリンピック」である。

健常者の競技はアスリートの活躍が派手に伝えられ、アマ・プロを問わずコロナ禍でも大会が行われる。ところが、障がい者スポーツが大きな脚光を浴びるのは、4年に一度開かれるオリンピックの直後に開催されるパラリンピックにほとんど限られる。

地味な存在だったパラリンピックに関する話題がテレビや新聞・雑誌などで取り上げられ、競技種目やルールの理解も進んでいる。スポーツを通じて障がい者への理解が進むのはうれしいことである。

「パラリンピック」の語源をWikipediaなどで調べてみたところ、パラプレジア(Paraplegia、脊髄損傷等による下半身麻痺者)+オリンピック(Olympic)の造語とのこと。

国際パラリンピック委員会(IPC)によると、20世紀初頭から散発的な障がい者スポーツの大会は記録されているが、大会の起源とされているのは、1948年7月28日にロンドンオリンピックの開会式と同日に、イギリスのストーク・マンデビル病院で行われたストーク・マンデビル競技大会とされる。この大会は、戦争で負傷した兵士たちのリハビリテーションとして「手術よりスポーツを」の理念で始められたという。

ストーク・マンデビル病院には、第二次世界大戦で脊髄を損傷した軍人のリハビリのための診療科が専門にあり、ルートヴィヒ・グットマン医師の提唱により、車椅子使用入院患者男子14人、女子2人によるアーチェリー競技会が行われた。この競技会は当初、純然たる入院患者のみの競技大会であったが、毎年開催され1952年には国際的な大会となり、第1回「国際ストーク・マンデビル競技大会」が開催されたという。

1960年には、グットマン医師を会長とした国際ストーク・マンデビル大会委員会が組織され、同年にオリンピックが開催されたローマで、第9回国際ストーク・マンデビル競技大会が開催された。この大会は第1回パラリンピックと呼ばれている。

第2回パラリンピック大会は、1964年の夏季東京オリンピック時に開催された。ちなみに、大会の象徴であるマーク(パラリンピックシンボル)は、人間の最も大切な3つの構成要素「心(スピリット)・肉体(ボディ)・魂(マインド)」を赤・青・緑の三色で表している。

父・立石一真は障害者の社会復帰に一生を捧げた中村裕医師の考えに共鳴して、全面的に支援した。中村医師は英国での留学時代に障がい者スポーツの重要性を学び、東京パラリンピックを成功に心血を注いだ。同時に障害者自立のための施設「太陽の家」を設立するなど、障害者の社会復帰に尽力した。

太陽の家は、大分県別府市、愛知県、京都府にある身体障害者が社会復帰するための訓練施設である。オムロンでは「太陽の家」の活動趣旨に賛同し、資金を寄付するとともに、「太陽の家」との合弁により、身体障害者が働きやすい環境を整えた福祉工場「オムロン太陽(大分県別府市)」と「オムロン京都太陽」を設立した。私もこれらにささやかながら関わったので感慨深く、東京パラリンピックの成功を願いたい。

<羅針盤篇59>



■筆者プロフィール:立石信雄 1959年立石電機販売に入社。1965年立石電機(現オムロン株式会社)取締役。1995年代表取締役会長。2003年相談役。 日本経団連・国際労働委員長、海外事業活動関連協議会(CBCC)会長など歴任。「マネジメントのノーベル賞」といわれるSAM(Society for Advancement of Management)『The Taylor Key Award』受賞。同志社大名誉文化博士。中国・北京大、南開大、上海交通大、復旦大などの顧問教授や顧問を務めている。SAM(日本経営近代化協会)名誉会長。公益財団法人・藤原歌劇団・日本オペラ振興会常務理事。エッセイスト。

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