消費の性別境界線がますますあいまいに、「彼経済」が台頭―中国メディア

人民網日本語版    2020年11月24日(火) 8時40分

拡大

ポストコロナ時代の「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)には、久しぶりのリベンジ的消費が期待通りにやって来た。

ポストコロナ時代の「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)には、久しぶりのリベンジ的消費が期待通りにやって来た。中でも天猫(Tmall)プラットフォームでは美容医療・医療関連サービスの受注量が前月の7倍以上に増加して、最も人気のある生活サービスになり、客単価は平均6300元(約10万円)だった。注目されるのは、注文の30%近くが男性からのものだったことだ。

ますます多くの事実からわかるのは、中産階級の増加、男性のアイデンティティーの変化、消費の高度化により、男性が自分自身の価値や能力を定義し直すようになり、新たな消費ニーズが生まれ、「彼経済」がビジネスチャンスになりつつあることだ。

このほど発表された「2020年新ホワイトカラー消費行動研究報告」によると、男性の外見が重視されるようになり、美容医療の利用者は低年齢化すると同時に男性が増加した。利用者の30%は男性で、毎月の出費は1千元以上で女性と変わらない。また料理上手な男性が活躍し、週末に家で食事を作る男性ホワイトカラーの割合は53%で、女性の39.5%を上回った。

京東と唯品会が共同で発表した「中国両性消費トレンド報告」によると、目下の中国の消費高度化の文脈における重要なトレンドは脱ジェンダー消費だ。男性のセルフイメージのコントロール意識の上昇や性別役割分担の変化につれて、性別によってラベルをはり定義づけをしてきたこれまでの消費ニーズが変化し、消費の性別境界線がますますあいまいになってきた。

今では、これまで女性が主導してきた化粧の世界にも男性が勢いよく「進出」している。中国産業研究院が発表したデータによると、2023年には、世界の男性用化粧品市場の規模は786億ドルに達し、人民元に換算すると約5400億元になるという。

重慶工商大学長江川上経済研究センターの莫遠明(モー・ユエンミン)研究員は、「こうした『脱ジェンダー化』のトレンドの出現が消費分野における『女尊男卑』の現象をある程度打破し、『彼経済』の発展・顕在化を客観的に支える条件を提供した。これに対応するため、ブランドに『脱ジェンダー化』のトレンドがはっきりみられるようになってきた。製品の開発、ブランドの位置づけなど、すべて両性のニーズに応えることを出発点とし、性差を強調したり男女を区別したりしなくなった」と述べた。

中国銀聯の報告書によると、男性ユーザーの23%が「毎月オンラインで5000元(約8万円)以上消費している」と回答したが、この消費水準に達する女性は15%にとどまった。また米国のネット広告の業界団体のインタラクティブ・アドバタイジング・ビューロー(IAB)の調査データでは、中国のEC消費者のうち、PC利用でもモバイル端末利用でも、男性の割合が女性を上回り、これまでのイメージと大きく違ったという。

西南証券の研究報告では、男性は40代に入ると、資産も社会的地位も上昇し、消費能力と消費レベルが他の年代の男性を大きく上回るようになる。現在、中国では40歳以上の中年男性の人口に占める割合が徐々に増加し、このことも「彼経済」の発展に勢いを与えているという。

実際、スポーツSNSの虎撲を利用した「男性情報発信」型トレンドスニーカーのECアプリが、大量の大口資本を獲得して参入し、現在の時価総額は10億ドルに達する。上海浦東発展銀行は男性顧客に向けて、「我」シリーズの男性向けクレジットカードを打ち出し、好評を博しており、金融サービスの可能性をさらに押し広げた。男性がキッチンに立つ時代に合わせて、オンライン生鮮食品宅配、コミュニティーでの共同購入、O2O(オンラインツーオフライン)などが急速に成長し、買い物は早く済ませたい男性のニーズに応えている。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携