EV、相次ぐ火災でリコール続出=「韓国製バッテリーへの打撃避けられず」と主要紙

Record China    2020年11月21日(土) 17時20分

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世界のEVで火災が相次いでリコールが続出。韓国紙はバッテリー市場を主導している韓国のメーカーが対応に苦慮しており、「打撃が避けられない」と危惧している。

世界の電気自動車(EV)メーカーが相次ぐ火災でリコール(回収・無償修理)を決定し、バッテリー市場を主導している韓国のメーカーが対応に苦慮している、と朝鮮日報が報じた。同紙は「火災原因がバッテリーの欠陥と断定できないが、打撃が避けられないとの分析がなされている」と危惧している。

記事によると、ロイター通信などは13日、米ゼネラル・モーターズ(GM)が韓国製バッテリーを搭載したEVのリコールを実施すると伝えた。リコール対象は2017年から19年にかけ生産された「シボレー・ボルトEV」でLG化学製のバッテリーが搭載された6万8000台余り。うち米国内での販売分は5万900台余りだ。ボルトEVに搭載された高電圧バッテリーはLG化学梧倉工場で生産されたものだという。

LG化学のバッテリーは韓国内でも論議を呼んでいる。現代自動車はLG化学のバッテリーを使う「コナEV」7万台余りに対する自主的なリコールを決定。国内、欧米、中国でリコールを余儀なくされた。コナEVのリコールは昨年7月から先月までの期間に国内外で13件の火災が発生したことを受けた措置だ。  

サムスンSDIのバッテリーも騒ぎとなっている。同社のバッテリーを使用する独BMW、米フォードの一部EVモデルが火災リスクを理由にリコールとなった。他国のバッテリーメーカーも同様の状況だ。EV世界最大手の米テスラは昨年、日本のパナソニック製バッテリーが使われる「モデルS」「モデルX」について、バッテリーモジュールの異常が推定されるとしてリコールを決めた。中国の寧徳時代新能源科技(CATL)製バッテリーが搭載された中国・広州汽車の「アイオンS」でも今年5月、8月に相次いで火災が発生し、調査が進んでいる。

韓国政府と企業はEVバッテリーを「第二の半導体」と位置付けて投資を拡大している。バッテリー産業の育成は「韓国版ニューディール」の主要課題にも挙げられている。しかし、火災原因に関する責任の所在によっては膨大なリコール費用をバッテリーメーカーが負担しなければならなくなる可能性がある。さらに大きな問題はEVが安全ではないという認識が拡大すれば、販売に支障が生じかねないことだ。

バッテリー各社はひとまず火災原因がバッテリーセルの不良とは言えないとする立場を取っている。バッテリーメーカー関係者は「EVでの火災発生比率が内燃機関車の火災発生比率と比べ特に高いともいえない」とした上で、「EVの販売が増え、安全性論争が起きることは一種の通過儀礼ととらえるべきだ。EV市場をリードするため、火災原因と安全性を引き続き検証し、消費者の信頼を高めていく」と強調した。(編集/日向)

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