米戦略爆撃機、東シナ海の中国ADIZに進入=「武力示威」「偶発的衝突を憂慮」と香港紙

Record China    2020年11月20日(金) 18時20分

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米空軍のステレス戦略爆撃機が東シナ海の中国ADIZに進入。香港紙は「武力示威で米中両国間の偶発的衝突への憂慮が高まっている」と危機感を募らせた。写真は米ステルス戦略爆撃機B-1B“ランサー”。

中国海軍が大規模な軍事訓練をする中、米空軍のステレス戦略爆撃機B-1Bランサー2機が東シナ海に中国が設定した防空識別圏(ADIZ)に進入した、と韓国紙が報じた。香港紙は「明白な武力示威」と報道。「中国内でも米中両国間の偶発的衝突への憂慮が高まっている」と危機感を募らせた。

韓国・中央日報によると、香港紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」(SCMP)は民間航空追跡サイト「エアクラフトスポット」を引用。17日午前、米国領グアム島のアンダーセン空軍基地から出撃したB-1Bランサー2機が東シナ海を通過して中国のADIZに進入したと伝えた。米空軍のKC135ストラトタンカー 空中給油機2機も合流し、給油を行ったという。

当時、中国人民解放軍は南シナ海と東シナ海、渤海など4カ所で同時に訓練をしていた。SCMPは「これほど大きい航空機が偵察のために飛行したことはなかったという点で、これは米軍が送る直接的な警告」と指摘。「トランプ米大統領の大統領選不服など米国内の混乱が大きくなっている状況の中で発生したことから、中国内でも米中両国間の偶発的衝突への憂慮が高まっている」と言及した。

B-1Bランサーは主翼を後退させることで空気抵抗を低減する可変翼機。最大速力は高高度でマッハ1.25(時速1530キロ)に達する。射程900キロ超の空中発射型巡航ミサイルなどを搭載。北朝鮮が不穏な動きを見せると、朝鮮半島にしばしば飛来するほか、日本近海では航空自衛隊との共同訓練も重ねている。

今回B-1Bランサーが進入したのは台湾に近い中国ADIZの一角。台湾のADIZには9月中旬以降、中国軍機が頻繁に進入し、台湾側は上空で待機していた戦闘機部隊を派遣したり、無線での警告や地対空ミサイルによる監視で対応したりするなどしている。米軍機の動きは中国をけん制し、台湾を支援する狙いもあるとみられる。(編集/日向)

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