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<直言!日本と世界の未来>コロナ拡大、感染対策と経済振興の両立を―立石信雄オムロン元会長

配信日時:2020年11月15日(日) 8時10分
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新型コロナウイルス感染症は夏以降の「第2波」が収まらないまま、全国に流行が拡大している。1日あたりの国内の感染者数は過去最多を更新、寒い冬を前に、経済を動かしながら感染をどう抑えるか。写真は札幌市。

新型コロナウイルス感染症は夏以降の「第2波」が収まらないまま、全国に流行が拡大している。1日あたりの国内の感染者数は過去最多を更新、「第3波」との見方もあるようだ。感染が広がりやすくなる冬を前に、経済を動かしながら感染をどう抑えるか。

新型コロナに関する専門家分科会は、このままでは「急速な感染拡大にいたる可能性が高い」と警告している。懸念材料はクラスター(感染者集団)が東京、大阪など大都市だけでなく札幌、福岡など地方でも増えていることである。大学や職場でのクラスターは、授業や仕事そのものより、飲み会や喫煙などの休憩時間、寮生活などで生じているという。政府や自治体は情報発信を強化し、繰り返し伝えてほしい。クラスターを速やかに見つけ出すため、検査を拡充して迅速に行うことも必要だろう。

第2波は当初、大都市の歓楽街など感染リスクの高い場所は限られていた。しかし今、東京都などの感染者が集中する地域では、家庭内、職場、高齢者施設や病院などが主な感染場所となっているようだ。

寒さが増す冬季には季節性インフルエンザとの同時流行が懸念され、医療現場のひっ迫も心配だ。地域の医療機関が万全の態勢で対応できるよう、医療体制の拡充も急がなければならない。

感染拡大には経済活動と相関関係があるというのも悩ましい。政府は「GO to トラベル」をはじめ、夏以降、旅行や外食を促す対策を進めてきた。コロナ禍によって経済が疲弊し、企業や飲食店の行き詰まりや失業者増加が懸念される中で、必要な施策といえる。

国や都道府県は今後、地域の感染状況に応じて「GO to トラベル」からの対象除外や限定的な外出自粛要請を検討するという。アクセルとブレーキと同時に踏むような難しさがあるが、経済振興と感染対策の両立の道を探ってほしい。

コロナ禍の長期化で、直撃を受けた人や企業の手元資金は枯渇している。再び全国的に営業や外出の自粛を要請する事態になれば、積極的な対策が必要になろう。中小企業や飲食店には雇用調整助成金や事業持続化給付金などの形で直接資金供与を検討すべきだ。

政府が検討中の第3次大型補正予算にも期待したい。政府は20年度第3次補正予算と21年度予算を一体で策定する「15カ月景気対策」を講じる方針とされる。新型コロナウイルスの感染拡大で今年4~6月に55兆円の需給ギャップが発生したことなどを踏まえ、日本社会の構造転換に資するよう、規模や内容を検討するという。経済対策は(1)コロナ対策(2)ポストコロナ時代に向けた経済構造の転換(3)防災・減災など3つの柱からなる。経済構造の転換は、デジタル化やイノベーションによる生産性向上、企業の内部留保活用など民需主導による好循環の実現を目指すという。赤字決算企業や行き詰まる企業も続出しており、まさに「待ったなし」。思い切った大型対策を切望したい。

<直言篇140>

■筆者プロフィール:立石信雄
1959年立石電機販売に入社。1965年立石電機(現オムロン株式会社)取締役。1995年代表取締役会長。2003年相談役。 日本経団連・国際労働委員長、海外事業活動関連協議会(CBCC)会長など歴任。SAM「The Taylor Key Award」受賞。同志社大名誉文化博士。中国・北京大、南開大、上海交通大、復旦大などの顧問教授や顧問を務めている。SAM(日本経営近代化協会)名誉会長。エッセイスト。

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