「バイデンは食パンのような政治家」その意味とは?どうなる日本をパックンが解説

ヘッドライン    2020年11月13日(金) 16時0分

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バイデン氏を選んだ民意をアメリカ人タレントのパトリック・ハーラン氏に聞いてみた。写真はジョー・バイデン氏(Joe Biden公式Twitterアカウント@JoeBidenより)。

アメリカ大統領選で史上最多票数を獲得したジョー・バイデン氏。このままいけば新たなリーダー誕生の見通しだが、トランプ氏の「倍返し」「暴動」が待ち受けるおそれも……。日本や世界はどうなっちゃうの!?パックンこと、パトリック・ハーラン氏に聞いてみた。

▼バイデンはクセがなく、いたって普通

“トランプ旋風”から4年、今月3日に行われたアメリカ大統領選挙は民主党のジョー・バイデン氏が過去最高の7400万票超を獲得、現職で共和党のドナルド・トランプ氏を激戦の末に破った。バイデン氏は7日夜、初の女性副大統領となるカマラ・ハリス氏とともに演説し「分断するのではなく、団結させる大統領になると誓います」と、勝利を宣言。アメリカ史上最高齢の大統領の誕生だ。

バイデン氏を選んだ民意を、ハーバード大学卒のアメリカ人タレント、パックンはこう解説する。

「今回の選挙はトランプの信任を問うもの。バイデンに投票した人たちは、どうしても彼じゃなきゃダメというわけではなく、とにかくトランプを辞めさせたい。ザ・トランプショーの幕を下ろして、普通の状態に戻りたいんです」

トランプ氏の4年間で、アメリカはどのように変わったのだろうか?

「さまざまな問題が悪化の一途をたどっていきました。なかでも国民の分断は大きい。トランプは1日平均20以上の嘘をつき、それをトランプ支持のメディアはそのまま伝え、批判的に報じるメディアに対してはフェイクニュースだとバッシングする。白人至上主義者をかばい黒人への怒りや不安をあおったり、移民や難民を侵略者と呼んだりして対立を深めさせています」

アメリカ第一主義を掲げるトランプ氏は、地球温暖化対策の国際的な枠組み『パリ協定』や世界保健機関(WHO)から離脱。日本や韓国など、いわゆる同盟国にも、自国から米軍が撤退してほしくなければ駐留費用を大幅に増やすよう容赦なく迫った。

「国際社会でのアメリカの信用を下げ、同盟国を突き放した。コロナに対しても、科学者や専門家の声に耳を傾けず“マスクをつけるからコロナになる”などと大統領みずから誤報を広め感染が広がっていく……。こうした事態に嫌気がさしているんです」

バイデン氏をパックンは「食パンのような政治家」と言い表す。そのココロは?

「クセがなくて、嫌う人も少なくて、身近な存在。実際、バイデンは一般家庭に育って、しゃべり方も一般的でエリートではない。ものすごく弁が立つわけでも、人を熱狂させる存在でもない。いたってノーマル、普通です。政治姿勢もザ・中道。公共サービスの強化、温暖化対策、教育政策に力を入れるはず。共和党の上院議員の抵抗も半端ないでしょうけど」

 

私生活ではジル夫人(69)と結婚44年目。新たなファーストレディーは教育学者の顔を持つ。

「ジルは日本でいう短大で教えている現役の先生。バイデンが食パンなら、彼女はジャム。お似合いの夫婦です。バイデンにとっては再婚で、彼は1972年に上院に当選した直後、最初の妻と1歳だった子どもを交通事故で亡くしているんです。ジルは、残された2人の息子を男手ひとつで頑張って育てているバイデンに惹かれたとか。

おそらくファーストレディーになっても教師を続けると思いますよ。アメリカでは共稼ぎが大半ですから、その意味でも国民に身近な大統領夫婦と言えそうです」

▼バイデン政権になると日本はソン?トク?

バイデン氏が大統領になると、日本にはどんな影響が出てくるのだろうか?

「アメリカが対日政策を大きく変えることはないでしょうね。ただし、トランプが言い出した米軍撤退はありえない。むしろ日米関係をより強化していくと思います」

 

トランプ政権下では、拉致問題解決に向けて北朝鮮に働きかけてもらえるよう日本が協力を仰いだこともあった。

「バイデンも協力してくれるとは思います。国連で言及したり、北朝鮮との交渉内容にあいまいな表現で盛り込むこともあるでしょう。しかし北朝鮮の非核化と拉致問題を天秤にかけたとき、アメリカにとっては非核化のほうが優先順位は高い。そのため、あまり変化はないと思います」

沖縄の米軍基地についても負担軽減を求める声は絶えないが、「基地を置く場所は日本が決めていいのだから、アメリカ政府は基本的に日本国内の問題と認識している」とあってこちらも期待薄。

それでもパックンは、トランプのいる共和党より、バイデンのいる民主党から大統領が誕生したときのほうが歴史的に見て「日本のためになっている」と言う。

「例えば、民主党のクリントンは大統領時代、京都議定書の成立に力を貸したし、北朝鮮の核開発凍結の一歩手前までいった。オバマはTPP(太平洋を囲む国々が貿易自由化を目指す経済的枠組み)を結び、平和演説を広島で行い、尖閣諸島も日米安保条約の対象内と明言しました。

反対に、共和党の大統領だったブッシュはイラク戦争を起こして日本を巻き込んだし、トランプはTPPを離脱するわ、貿易交渉で圧力をかけてくるわ、安倍さんをゴルフには連れて行ってもアメリカ議会で演説はさせなかった。“ドナルド”“シンゾー”と呼び合い首脳同士は仲がよさそうに見えたけど、それが本当に日本のためになったのかというと、僕は違うと思う」

日本政府は「結果にかかわらず、引き続きアメリカと緊密に連携していく考えに変わりはない」と述べているが、なんと選挙結果がひっくり返る可能性もあるという。トランプ氏は投票や集計などで不正があったと主張、訴訟を連発し、選挙結果を法廷で争おうと試みているからだ。

「トランプが大統領に再選する可能性もあります。というのも最高裁まで争った場合、トランプと同じ共和党の大統領が最高裁判事に指名した人物が9人中6人もいるから。’00年の大統領選も法廷闘争にもつれ込みましたが、共和党のブッシュを大統領にするよう協力した最高裁判事も全員そうでした。

また、選挙不正を訴えるトランプに煽られた支持者が暴動を起こすかもしれません。州政府や市役所を襲ったり、バイデンの選挙本部が襲われたりする可能性もあります」

ただでさえコロナで世界経済の視界は不良。選挙が長引けば、日本にとっても大きなソンとなる問題。行方を注視しなければならない。

当記事は「週刊女性PRIME」(運営:株式会社 主婦と生活社)の提供記事です。

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