鉄道の複数の画期的技術、いずれも北斗を活用―中国メディア

人民網日本語版    2020年11月10日(火) 5時20分

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遠い宇宙を旅しているように見える北斗だが、それはすでに私たちの身近なところに浸透しており、鉄道建設に活用されている複数の画期的技術が北斗に関わっている。写真は中欧班列。

中国国家鉄路集団有限公司は今年発表した「新時代交通強国鉄道先行計画綱要」の中で、2035年に率先してスマート化鉄道網を完成させ、高速列車は北斗衛星測位システムと5G通信技術による宇宙・天地一体化の「スーパーブレイン」を持つことを明らかにした。実際には、遠い宇宙を旅しているように見える北斗だが、それはすでに私たちの身近なところに浸透しており、鉄道建設に活用されている複数の画期的技術が北斗に関わっている。科技日報が伝えた。

高速鉄道の安定走行

乗客は時速350キロで運行中の高速列車内で、庭を散歩するように歩くことができる。窓辺に硬貨を立てても倒れない。これはいずれも、高速鉄道線路の乗り心地性能が高いからだ。鉄道の乗り心地性能を最大限に確保するため、作業員は線路の3次元位置座標や鉄道間の距離などを正確に把握し、鉄道の向き、高低差、軌間、水平線などの各種幾何学的パラメータの高精度測量を実現しなければならない。北斗の高精度測量能力は、測量の誤差を効果的に縮小する。軌間測量装置による測量、もしくは全計器半自動測量などの従来の手法と比べると、北斗慣性航法鉄道軌道幾何学的状態測量装置は測量の精度を保証すると同時に、作業効率を20倍以上に高め、測量コストと関連作業の複雑性を大幅に引き下げた。

■中欧班列を正確に測位

中欧班列(中国と欧州を結ぶ国際定期貨物列車)の運行距離はいずれも1万キロメートル以上で、無人地帯を通ることが多い。これらの地域にはモバイル通信の電波が届かない。列車は以前、これらの地域を通ると電波が届かなくなり、保存ができなかった。北斗測位システムが搭載されると、列車の運行データをリアルタイムで記録できるようになった。列車がモバイル通信の電波が届く場所に到達してから、これを中欧班列運行サービスセンターに伝送することで、情報の完全性を保証した。中欧班列は現在21カ国・72都市とつながっているが、北斗衛星は中欧班列の運行ルートを追跡し、測位の誤差を10メートル以内にすることができる。

■全天候の警戒情報を発表

北斗インフラモニタリング機能は、鉄道設備・施設及び周辺環境に対して、全天候・リアルタイムの自動化高精度モニタリングを行う。オリジナルのモニタリングデータを集め、これに事前処理を施す。モニタリングデータの計算・分析、警戒情報の発表などの機能を実現する。例えば浩吉鉄道の重点橋梁5基、重点坂道6カ所で、北斗に基づく高精度変位・変形モニタリング技術が採用されている。インフラの長期モニタリングを行い、モニタリングの即時性と連続性を保証し、連続的な情報を効果的に取得する。それと同時に高精度と自動化を保証し、線路安全をサポートする。

■列車の状態を速やかに把握

中国機車リモートモニタリング・診断システム(CMDシステム)は北斗衛星測位システムを通じ、列車の故障、警戒情報、列車の位置情報などを速やかに地上システムに伝送する。列車対地上・地上対列車データの収集・処理・伝送を完了する。職能部門は速やかに列車の故障、警戒情報、列車の位置情報、列車のコンディションを把握できる。乗務員の列車の品質管理の利便性と有効性が大幅に向上する。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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