英国、「国民が数学苦手」で、中国の「救援」を要請―英メディア

Record China    2014年3月16日(日) 1時34分

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14日、数学が苦手な国民が多い英国は、中国の「救援」を要請した。資料写真。

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2014年3月14日、英国の国立数学教育団体NationaI Centre for Excellence in the Teaching of Mathematics(NCETM)が最近実施した調査の結果、英国の成人が数学を苦手としているために、英国政府が受ける直接的・間接的な経済損失は年間200億ポンド(約3兆4000億円)に上ることが明らかになった。英国教育大臣は2月、上海を訪れ、「救援」を要請。これにより、上海の数学教員60人が英国に赴き、英国人に数学を教えることになった。BBCが伝えた。

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■英国人、日常生活の各シーンで問題噴出

英国の成人のうち、計算を行う時に、手元に電卓がなければ、指を使って計算する人が3分の1を占める。また、買物の際に、特売商品の割引率や計算にうといことから、毎週10ポンド(約1700円)を損している。商店のレジでお釣りを受け取った時にお釣りが不足していることに気づかないため、総額8億ポンド(約1360億円)以上のお釣りを「もらわずじまい」になっている。

NCETMは、「数学的な能力が低いことから、本人の給与レベルが下がり、企業の利益が減り、政府の税収が落ち込み、英国政府は年間200億ポンドの経済的損失を被っている。この額はGDPの1.3%に相当する。刑事司法体制や国家医療サービス体制にもたらされる損失は数値化が難しいため、この数値は実際の損失額よりも少ないとみられる」としている。

■数学能力の低さをもたらした三大要因

英国人がこれほど数学を苦手とする原因として、次の3点が挙げられる。

1、学校で算数を学び始めた時から、電卓に依存しすぎている。英国政府はかつて、10歳から12歳の学生を対象とした数学テストを実施した。電卓を使わないことを条件としたこのテストでは、「2.36+1.49=」の計算問題を解けない学生が27%を占めた。また、「415−5=」ができなかった学生も36%いた。

2、英国人は総じて、数学に対して興味を抱いておらず、数学を重視していない。調査によると、学生の25%は「数学を勉強したくない」と答えた。その理由として、「勉強してもよくわからない(31%)」、「数学の勉強は退屈極まりない(45%)」などが挙がった。

3、数学担当教員の力量が不足しており、小学校教員で数学の学位を持っている教員はわずか3%にとどまっている。

■英教育大臣、中国を訪れ「救援」を要請

英国政府は国民全体の数学レベルが低いことに焦りを感じ、さまざまな対策に取り組み始めた。まず、小学校低学年の算数の授業では、子供たちの計算能力向上を図り、電卓の使用を禁じた。また、多くの大学生に数学教員になることを目指してもらうため、数学の教員に対して7500ポンド(約127万円)の特別奨励金を支給する方針を打ち出した。このほか、13年1月には英国国内の優秀小・中・高校25校の校長からなる国家視察団が中国・寧波の小学校を訪問して交流を行い、中国の数学教授法を学んだ。寧波の小学生が「掛け算九九」を使って「72÷3=24」と即答した時、視察団の英国人校長たちは軒並み、ど肝を抜かれた。英国の学生がこのレベルの問題を正解するには、数回の授業で繰り返し勉強する必要がある。

2014年2月、トラス教育大臣率いる英国代表団が、掛け算九九などの「経験を蓄積する」ことを目的として、上海を訪れた。代表団が帰国した後、英国政府は中国から数学教員を招聘することを決定した。これを受け、上海は数学教員60人を英国に派遣し、支援にあたることとなった。また、英国政府も国内の数学教育レベルの向上を目指し、中国に数学教員60人を派遣し、長期的に教授法を学ばせることとした。(提供/人民網日本語版・翻訳/KM・編集/TF)

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