中国人が今も“数え年”を使う理由…いろいろと「搾り取る」ためだった?

Record China    2020年11月4日(水) 8時0分

拡大

中国では今も、高齢者を中心に自分の年齢を「数え」で認識している人がいる。そもそも、「数え年」を使うようになったのはいつで、なぜだったのだろうか。

中国では今も、高齢者を中心に自分の年齢を「数え」で認識している人がいる。そもそも、「数え年」を使うようになったのはいつで、なぜだったのだろうか。中国の大手検索/ポータルサイトの百度は2日、日本人学者の西嶋定生氏の説を紹介した。

「数え年」とは、子どもが生まれた時点で「1歳」として、それ以降は年越しのたびに年齢を一つ加算する数え方だ。中国では春節(旧正月)など伝統的な行事には今も旧暦が使われており、「数え年」の計算にも旧暦が用いられる。

年齢とは、その人が生きてきた年数を数えるものだ。従って、生まれた時にすでに「1歳」とすることには、中国人も違和感を覚えることがあるようだ。そこで、「人が生命を獲得するのは母のお腹の中で受胎した瞬間。それから出生までは約1年間。そこで、生まれた時に1歳とする」といった説明がされてきた。

しかし記事は、日本人学者の西嶋定生氏(1919-1998年)の、それとは違った説を紹介した。西嶋氏は戦後、日本での中国古代史の研究をけん引した存在だった。中国では自国の歴史や文化の研究について、日本人学者の説が重視されることが多い。もちろん反論する場合はあるが、それにしても日本の主要な研究者による説は、中国人研究者にとっても避けては通れない重要な主張と認識されていると言ってよい。

西嶋氏はまず、極めて古い時代の中国人にとって年齢は重要でなかったと指摘したという。人々にとって長幼の順は知る必要があったが、それ以外には体の特徴や職業関連の能力などで互いに識別できればよかったということだ。庶民だけではく、統治階級に属する人も同様だったという。

中国で初めて戸籍制度が作られたのは秦の時代で、紀元前375年だった。秦は紀元前231年になり、戸籍に住人の年齢も記録するようになった。秦が戸籍を整備したのは、人民に課す税や兵役、労役などで正確な情報を得る必要があるからだ。

そして、住人の年齢として用いられたのが、「数え年」だった。しかし数え年には「矛盾」がある。例えば年の初めに生まれた子も、大みそかに生まれた子も、次の年越しの際には一律に「2歳」になる。実際に生きて来た年月を正しく反映しているとは言えないわけだ。

記事によれば、秦が制定した戸籍に、生まれた月と日の記載はなかった。そして、人民には一定の年齢に達すれば、納税や兵役、労役の義務が発生した。生まれて初めての年越しの際に「2歳」としたのは、できるだけ早く義務を課すため、つまり「人民を、より多く搾り取るため」の手段だったという。

中国では、「数え年」のことを「虚歳(シュースイ)」という。記事は、数え年とは年末に生まれた人にとって特に、「虚偽の年齢」を加えられることを意味したと評した。

記事は、数え年が採用されたことは民衆にとって別の面もあったと指摘。誕生日などをはっきり記憶していない人も、年越しの際にはすべての人が一律に、年齢が増したことを実感したという。中国でも日本と同様に年越しの際には子どもに金銭を渡す習慣がある。いわゆる「お年玉」だ。中国語では「圧歳銭(ヤースイチェン)」または「圧歳」などと言う。

記事は、「圧歳」に「歳」の文字が使われていることから分かるように、本来は年越しを意識した習慣ではなく、子どもがまた一つ、年齢を重ねたことを祝う意味があったと解説した。ちなみに、「圧歳」の習慣が発生したのは漢代(紀元前206―8年の前漢と25-220年の後漢)とされている。当初は貨幣があまり流通していなかったので装飾品を与えた。当初は、「魔物を圧する」という厄よけの意味があったので、今でも「圧」の字が使われつづけているといいう。

なお、中華圏では重要人物が高齢で他界した場合、発表される享年が数え年で発表される場合がある。日本で報道される場合には満年齢を採用するので、中国や台湾での発表と日本の報道では享年が異なることになる。

また、さらに別の要因が絡むこともある。例えば2020年7月30年に逝去した台湾の李登輝元総統の場合は、満年齢では97歳、数えでは「99歳」だったが、台湾では「98歳」と報道された。これは、人の年齢について1桁部分の数字が「9」だと縁起が悪いと考えられているので、特に高齢者の場合には、数え年で計算する場合も「99歳」には“ならなかったこと”にして「98歳」のままにしておき、次の年越しの際に一気に「100歳」とする習慣があるためだ。(翻訳・編集/如月隼人

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携