<日本人が見た中国>もしかして友人夫妻は「ローンの奴隷」?なぜそんなに現金がない?

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北京の一等地に住む友人夫妻は36歳と47歳の新婚さん。結婚式やマンションの改築にお金を使い、現金がほとんどない。しかし部屋は3つも所有している。もしかして友人夫妻はローンに収入のほとんどをつぎ込む房奴?資料写真。

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2014年の旧正月、1年ぶりに北京に住む友人、劉小姐(リウさん)と再会することになった。昨年、36歳で結婚した劉小姐の新居に初めてお邪魔する。もちろんバツイチの47歳のだんなさんがどんな人かも知りたい。地下鉄1号線四恵からバスで1駅の友人宅は北京中心部の一等地にあった。外観はデザイナーズマンション風、ベランダがなく、オフィスビルみたい。

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こじんまりした部屋の中は新婚さんらしく家具、家電なにもかもが真新しい。2週間前に引っ越してきたばかりだという。50平米のオフィス用の部屋を1LKに改築している間、夫が所有している長春街の古いアパートに住んでいたらしい。台所は玄関の廊下にあり、そこで食事をするスペースはなし。オフィス用の部屋なのでベランダもなし。「本当に部屋が狭いのよ」と、劉小姐は繰り返す。しかし、この部屋の価格は50平米200万元(約3300万円)!1平米4万元(約66万円)!京都中心部の我が家よりずっとずっと高い。

現在、第一子を妊娠中の劉小姐は子どもを二人産む計画を立てている。一人っ子の劉小姐が二人目を産むことは政府からも認められているが、そうなると50平米のこの部屋に家族4人で住むのは無理。この部屋と長春街の部屋を売って、それを元手に100平米以上の部屋に引っ越す予定なのだ。

「私は結婚式に6万元(約100万円)使ったし、部屋の改修にもけっこうかかったから、二人でもう2万元(約34万円)しかないわ」と劉小姐がつぶやいた。「えっ!それだけ?」と驚いて聞き返してしまった。劉小姐は日本人から見れば、よく自慢をする。貯金があるならあるという性格だ。「そうよ。夫は部屋を改築するのに、なんでも一番いい品質のものを選ぶから、高くついてしまったの」。そんな問題じゃない。かねがね月給が1万元以上あるのが自慢だった劉小姐。上には上がいるとはいえ、地方出身者で3回の転職を経て、1万元をもらうようになったのは立派。しかもだんなさんは47歳で、ず〜っと安定した仕事についている。互いに働いている年数は相当長いのに、結婚した直後とはいえ、どうして、たった2万元しか現金がないの?とは聞けなかった。

この50平米200万元の部屋のローンはまだ、払っている。長春街の古い部屋はかなり昔に買ったのでローンは終わっているだろう。ただ、夫は大連にも部屋を持っている。北京ほど部屋の値上がりが大きくなく、買ったのを後悔しているらしいが。部屋を3つも持っているのだ。もしかして、劉小姐夫妻は「房奴?」。房奴とはマンションの価格が異様に高い中国で、給料のほとんどをローン返済に費やし、日々節約生活を強いられる家の奴隷のような人たちのこと。二人とも働き出して、いったい何年になるのよ!どうしてそんなに現金がないの!やっぱりふたりは房奴なの?

■筆者プロフィール:浜井幸子(はまい・さちこ)

1966年神戸市生まれ。19才の時、初めての海外旅行で行った中国の魅力にはまり、90年代の中国をバックパック旅行する。その後、中国やアジアの食を中心に書くライターとして活動中。著書に「中国おもしろ商人スクラップ」、「中国まんぷくスクラップ」など。



   

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