日米豪印、今度は来月に合同海上演習、「アジア版NATO化は中国の出方次第」と韓国紙

Record China    2020年10月24日(土) 7時20分

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日米豪印4カ国(QUAD)は来月、合同海上演習を行う。韓国紙はQUADがアジア版NATOに発展するかは「中国の出方次第」とみている。写真は共同訓練する日米豪艦(出典:海上自衛隊フェイスブック)。

日本、米国オーストラリア、インド4カ国(QUAD。クアッド)は来月、ベンガル湾などで合同海上演習を行う。QUADは6日、東京で外相会談を開き、海上進出を強める中国を念頭に結束を確認したばかり。韓国紙はQUADがアジア版NATO(北大西洋条約機構)に発展するかは「中国の出方次第」との見方を示した。

ロイター通信によると、豪印両国政府は19日、日米印3カ国が毎年実施している合同海上演習「マラバール」に今年は豪州も参加すると発表した。米印両国は1992年からインド洋やアラビア海などで共同訓練を行っている。豪州は2007年の演習に参加したことがあるが、その後は中国との関係から見送っていた。

海上自衛隊は2015年から演習に参加。昨年は日本が初めてホスト国となり、日米印の3カ国で9月下旬から10月初めにかけ、長崎県佐世保市から関東南方の海空域で行われた。

印国防省は豪海軍の参加について「インドは海洋安保領域で他国との協力増進を追求してきた」と説明。レイノルズ豪国防相は「インド太平洋地域の主要民主主義4カ国間の深い信頼と共同の安保利益のための意思を示すもの」と述べた。

QUADがアジア版NATO化する可能性をめぐり、韓国・ハンギョレ新聞は北京特派員発で長文の分析記事を掲載。まず「中国と世界のあつれきが深まっている。南シナ海と台湾海峡、ヒマラヤの高山地帯とメコン川流域に至るまで、紛争地帯は広大だ。中国が『切り離せない中国の一部』とし、内政干渉と規定した香港やチベット、新疆地域の人権問題はあつれきの根底に理念的な違いがあることを示している。全方位的な多発性あつれきともいえる」と中国をけん制する多国間の動きの背景を説明した。

続いて「経済力を基に外交・安保分野でも中国は積極的な態度を示している。主権と国益を掲げて周辺国との衝突も辞さない中国のいわゆる『戦狼外交』を相手国は“強圧”と捉えている」と言及。「これ以上遅くなる前に中国を制御すべきだという声が高まっているのもそのためだ」とした。

一方で記事は「脅威に対する認識の共有が直ちに一致した行動につながるわけではない」と指摘。日米豪印の足並みがそろっていないことなどから、「現在のところQUAD がアジア版NATOになる可能性だけでも中国に対する一定の“抑止力”として作用するというのが大方の分析だ」と論評した。

その上で同紙は「結局、中国が国際社会とのあつれきをどのように管理するかがカギとなる。国際社会が中国に対して感じる脅威の度合いが大きいほど、アジア版NATOの必要性は高まるからだ」と解説。「QUAD のアジア版NATO化が可能かどうかは、中国の今後の歩みにかかっている」と結んだ。(編集/日向)

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