中国で処分される古着は年間2600万トン!「古着は不潔」の意識根強くリサイクル進まず―シンガポール紙

Record China    2020年10月22日(木) 10時20分

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20日、中国紙・環球時報によると、シンガポール紙ザ・ストレーツ・タイムズが中国の次なる課題は「年間2600万トンの古着をいかにリサイクルするか」であると伝えた。

2020年10月20日、中国紙・環球時報によると、シンガポール紙ザ・ストレーツ・タイムズが中国の次なる課題は「年間2600万トンの古着をいかにリサイクルするか」であると伝えた。

中国の大都市には街中に「古着回収ボックス」が設置されている。記事によると、改修された古着のうち、きれいなものは慈善団体や発展途上国へ送られるが、それ以外は焼却か埋め立て処分される。記事は「年間50億枚のTシャツを製造する中国では、中古や古着を着ることは恥ずかしいことであり、理想を求める中産階級と電子商取引ブームにより、中国は米国を超えた服飾市場となった。そして、毎年2600万トンの服が捨てられており、このうちリサイクルされているのは1%に満たない」と現状を伝えた。

その上で、「このような大量の廃棄物は環境に大きな影響を与えている」と指摘。英エレン・マッカーサー財団のデータによると、服飾業界は世界の二酸化炭素排出量の約10%を占めており、航空業界と海運業界の和より大きいという。1キロの衣服を再利用することで、3.6キロの二酸化炭素排出を削減でき、6000リットルの水、0.3キロの化学肥料、0.2キロの殺虫剤を節約できるとされている。

記事は、中国では古着回収では利益が出ないことに問題があると指摘する。衛生面と安全性の問題から、中国は慈善団体以外を通じての古着販売を禁止しており、古着は「不衛生」との観念が根強い。また、新型コロナウイルスの流行がこの古着への偏見に拍車をかけているという。

記事によると、中国では政府の許可を得た企業が状態の良い古着を回収選別しているが、そのような企業は非常に少ない。比較的貧しい地域でも古着が歓迎されない中国では、古着の回収販売は「割に合わない」商売になっているといい、杭州市のある古着業者は「数年前は新品の7割程度の状態のジャケットならまだ買い手がいたが、今では9割程度の状態でないと申し訳なくて客に見せられない」と話しているという。

英国の紡績品回収協会のデータによると、2010年の中国の古着輸出は世界全体の1%以下だったが、2015年は6.4%を占め、その多くがアフリカへと輸出されている。10年前は、ケニアへ輸送される古着のうち英国が4分の1を占めていたが、今では中国が30%を占めるようになったとのこと。

一方で、依然として廃棄される量が圧倒的で、記事は「中国人が捨てる衣服の多くがごみ埋め立て場へと送られており、環境問題を深刻にしている」と指摘。国際リサイクル事務局の紡績部門の代表は、「耐久性とリサイクルの面から衣料品をデザインし、再利用できるようにする必要があるが、真の解決方法はもっと簡単で、衣料品の購入を少なくすることだ」と話しているという。(翻訳・編集/山中)

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